香港返還25年 去年廃刊の「リンゴ日報」元記者 現状を語る
香港が中国に返還されて1日で25年を迎えます。当局の圧力で去年、廃刊に追い込まれた香港メディア「リンゴ日報」の元記者が自由が制限された現状を語りました。
中国の習近平国家主席は先月30日、5年ぶりに香港を訪れ、2019年に起きた大規模民主化デモを抑え込んだことを「成果」として強調しました。1日は返還25年の記念式典に出席する予定です。
祝賀ムードが演出される中、複雑な思いの市民は少なくありません。「リンゴ日報」の元記者・シャーリーさんもその1人です。
リンゴ日報は中国共産党に批判的な論調で知られ、高度な自治が認められた「一国二制度」の香港を象徴する存在でした。
しかし、2年前に「香港国家安全維持法」が施行されると、創業者らが次々逮捕され、去年、廃刊しました。
「リンゴ日報」元記者・シャーリーさん「報道の自由とは、自由に報道できること、何にも制限されるべきではないです」「政府が一部の声を容認出来ないのなら、報道の自由と言えるでしょうか?考えてみてください」
さらに「中国に返還されて香港は良くなったか」と尋ねると、次のような答えが返ってきました。
シャーリーさん「コメントできない。国家安全維持法で逮捕されるかもしれないから」
香港の一国二制度は事実上崩壊し、社会の「中国化」が急速に進んでいます。