史上初の“不名誉”…米・下院議長を解任 原因は野党・共和党内の“内輪もめ” 米メディア「下院がカオスに陥った」
アメリカ議会下院で3日、野党・共和党のマッカーシー下院議長の解任動議が可決され、史上初めて議長が解任されました。ワシントンから渡邊翔記者が中継。
「史上初」という不名誉な議長解任は、下院で多数派を占める野党・共和党内の内輪もめが原因で、アメリカメディアは、下院が「無秩序=カオスに陥った」と評しています。
司会役「アメリカ下院議長が空席になることを宣言します」
マッカーシー議長の解任動議は身内である共和党の保守強硬派から出され、これに加えて与党・民主党も同調し、可決されました。
解任劇の発端は、先月末、政府閉鎖を防ぐために可決された「つなぎ予算」です。マッカーシー氏はウクライナ支援の予算を外すなど党内の歳出削減の要求に配慮したものの、保守強硬派は「不十分だ」として解任動議に踏み切りました。
与野党の議席数がきっ抗する下院では、20人ほどの共和党・保守強硬派が強い影響力を持つ状況が続いていて、アメリカメディアからは「できる限り多くのものを壊そうとしているだけだ」などと批判が出ています。
そして今後、懸念されるのはウクライナ支援への影響です。バイデン大統領は議会に対し、つなぎ予算から落とされた支援の予算を早急に確保するよう求めていますが、後任の議長次第では、予算の確保がさらに難しくなる可能性もあります。