G20首脳宣言は異例の初日発表 新興国など支援へ…中国の存在感より増す
ブラジルで始まったG20サミット=主要20か国・地域首脳会議で18日、気候変動対策の重要性などを強調した首脳宣言が発表されました。
18日に発表されたG20サミットの首脳宣言は、中東での停戦を求め、気候変動対策の重要性を強調する内容で昨年に続いて「初日に発表」される異例の展開となりました。
イスラエルとパレスチナをめぐっては、ガザ地区の人道状況に深い懸念を表明し、停戦を支持したほか、「『特に』ウクライナでの戦争による悪影響を強調し、平和への取り組みを歓迎する」としています。
アメリカのトランプ次期大統領が再び離脱する姿勢を示す気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」については、完全に実施すると確固たる姿勢を強調しました。
また、トランプ氏の返り咲きで米中対立が深まることが懸念される中、中国の習近平国家主席は新興国や途上国、いわゆる「グローバルサウス」への支援の強化など、多国間主義の重要性を強調しました。
習主席はイギリスのスターマー首相と6年ぶりに首脳会談を行ったほか、オーストラリア首相との会談では保護主義への反対を呼びかけていて、“アメリカファースト”を掲げるトランプ氏をけん制し、新興国の取り込みや西側諸国との関係を改善する狙いがあるとみられます。
一方、恒例の写真撮影ではアメリカのバイデン大統領が、集合写真に間に合わない一幕もありました。アメリカ政府高官によりますと、段取りの問題があったということです。
バイデン大統領の存在感が低下する一方、トランプ次期大統領に備えて活発なトップ外交を繰り広げる中国の存在感がより増しています。