台湾“大地震” 建物倒壊…落石で死者も 在住日本人「26年で最大」
3日午前9時前、台湾付近を震源とするマグニチュード7.7の地震があり、台湾で大きな被害が出ています。日本でも沖縄に津波警報が出たほか、沖縄などへ向かう飛行機が各地へ引き返すなど、影響が出ています。
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日本時間3日午前8時58分に台湾全域を襲った巨大地震。通勤ラッシュを直撃しました。
台湾ではマグニチュード7.2と伝えられた巨大地震で、各地に甚大な被害が出ました。震源は台湾東部の花蓮沖です。東に約150キロには、沖縄県与那国島がある場所です。
震源に最も近い花蓮県。“落石”が起きた瞬間を捉えた映像には、山の奥で砂ぼこりが立ち上る様子が映っていました。山が崩れ寸断された道路。Uターンし引き返そうとする車は、横たわったいくつもの岩を縫うように現場を離れました。地震にともなう落石により、3人の登山客と車を運転していた1人の合わせて4人が死亡したということです。
繁華街では建物に甚大な被害が出ています。バイクを止めた人たちの見つめる先にあるのは、斜めに大きく傾いたビルです。建物に取り残された人がいるため、救助隊がかけつけると建物の中へ入っていきました。
「誰かいますか?」
傾いた廊下を慎重に進みます。
この建物では少なくとも大人9人、子供1人が救出されましたが、台湾では午後5時半時点で127人が閉じ込められているということです。
救助された女性
「ものが全部崩れ落ちてきました」
午後5時半時点で9人が死亡し、821人のケガ人が出ている今回の地震。
「危ないね、まだ揺れるね。火元はつけてなくて良かったけど」
花蓮市の中心部で日本料理店を営む男性はこれまで感じたことのない大きな揺れだったといいます。
花蓮日本人会幹事 溝渕剛さん
「ゴーンという地鳴りとともに一瞬、下から突き上げたかなと思ったらすぐ横揺れになりまして、激しく長く、長い時間揺れました。ぼくは26年ぐらいいるんですけど、今までで一番大きな揺れだった」
さらにインタビュー中にも余震が複数回発生。
花蓮日本人会幹事 溝渕剛さん
「来た来た」
それでも、食事に困っている人たちのために、夜には営業を再開したいと話していました。
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激しい揺れは最大の都市、台北でも起きていました。宿泊先で動画を撮影した清水さんは…
清水チャートリーさん
「ベッドサイドに水をコップに入れておいていて、それが顔にかかったんだと思います。それで起きて、日本の地震とかに慣れていて、日本の建物って頑丈じゃないですか。建物が崩れたらどうしようみたいな」
部屋は一時停電したといいますが、その後は復旧し、普段通り仕事をしたということです。
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台湾では過去25年間で最大規模という今回の地震。災害本部に姿を見せた蔡英文総統は、各地で発生している停電や断水の完全復旧に向け、全力をあげると表明しました。
蔡英文総統
「さまざまな緊急対応を開始し、国民の安全を守っていきます」
台湾の気象当局によると、今後3~4日以内にマグニチュード6.5から7.0規模の地震が起きる可能性があるとしています。