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藤井七冠…勝利の“初海外” ベトナム対局…見守った現地ファン歓喜

2023年6月6日 5:52
藤井七冠…勝利の“初海外” ベトナム対局…見守った現地ファン歓喜
史上最年少での名人獲得・七冠を達成したばかりの藤井聡太七冠がベトナムで初めての「海外対局」に臨み、5日、第1局に勝利しました。会場には現地の熱心な将棋ファンの姿も。サインをゲットし、「幸せです!」と歓喜していました。

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日本時間5日午後9時ごろ、“熱戦”に終止符が打たれました。

藤井聡太七冠
「距離感をはかるのが難しい勝利だったかなというふうに感じています」

藤井七冠のタイトル防衛戦となる棋聖戦五番勝負の第1局。藤井七冠が、これまでの対戦成績が2勝ずつと、五分だった挑戦者の佐々木大地七段に勝利しました。

藤井七冠
「初めての海外対局ということで、実際に来るまではどんな感じなのか、楽しみな気持ちと不安の気持ちもあったんですけど」

対局が行われた場所は、ベトナム中部のリゾート・ダナンです。3日、ダナンの空港に降り立った藤井七冠は、長旅の疲れを見せずに笑顔を見せていました。実はこれが、藤井七冠にとって“初めての海外”です。

――初の海外はいかがですか?

藤井七冠
「着いたばかりですけど(笑)、着陸直前になって陸地が見えてきて(ベトナムに)『来たんだな』と感じました。食べ物も『すごいおいしい』と聞いているので、それもすごい楽しみですし、対局の翌日は観光の予定になっているので、 いろいろ見て回れたらと思っています」

心なしかテンションが上がっている様子です。35℃を超える東南アジアの暑さに、バスに乗り込むと、着ていたスーツを脱ぎ、汗を拭く姿がありました。

――汗が止まらないって感じですか?

藤井七冠
「日本の真夏より暑いっていうのは聞いていたんですけど、やっぱり暑いなと」

バスの車窓から異国の街並みを楽しんだり、観光名所を訪れたりと、対局前に初の海外を“満喫”していました。

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一方で、大きなあくびをする場面も…。実は今回の海外対局、“強行日程”で行われていました。藤井七冠は5月28日に岩手県宮古市で叡王戦を戦うと、翌29日は宮古市内でイベントに出席してから、名人戦の舞台、長野県高山村へ移動。「名人」獲得後は、すぐさまベトナムへ向かうという“超過密スケジュール”です。

こうした中、対局が行われましたが、やはり気になるのは勝負メシ。「食べ物も楽しみ」と話していた藤井七冠が選んだのは、どんなメニューか。

午前のおやつに「チェー」というベトナム風のぜんざい、夜のおやつに伝統的な餅菓子の「バンヤロン」、昼食に「コムガー」というベトナム風のチキンライスを食べ、しっかりとベトナムの味を堪能していました。

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ベトナムでは、若い世代を中心に将棋ファンが増えつつあるといいます。若いベトナム人の将棋ファンも赤いはっぴを着て、ダナンに駆けつけていました。

ベトナムの将棋ファン
「藤井聡太がこんなに近くにいるなんて、信じられない!」

藤井七冠へのプレゼントまで用意するという熱狂ぶり。そのファンらが見守る中、対局は約10時間に及びました。そして、勝利の瞬間が訪れます。このファンたちは、限定3枚しかない“藤井七冠からの色紙”をゲットしました。

ベトナムの将棋ファン
「びっくりした。すごい幸せです。この対局はすごく刺激的だった。おめでとうございます」

5日の勝利で棋聖のタイトル防衛に一歩近づいた藤井七冠。6日はダナン周辺を観光してから帰国の途へ。第2局は6月23日に兵庫県で行われます。

(6月5日『news zero』より)