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バイデン大統領、言い間違い相次ぐ…大統領選の撤退圧力強まりは必至か

2024年7月12日 14:30
バイデン大統領、言い間違い相次ぐ…大統領選の撤退圧力強まりは必至か
言い間違える直前のバイデン大統領

NATO=北大西洋条約機構の首脳会議の最終日となった11日、アメリカのバイデン大統領の言い間違いが相次いだ。ウクライナのゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」、アメリカのハリス副大統領を「トランプ副大統領」。言い間違いを重ねたことで大統領選からの撤退圧力がさらに強まるのは必至だ。

■ゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」と言い間違え

バイデン大統領は11日、NATO首脳会議でウクライナのゼレンスキー大統領を紹介する際、「決断力と勇気を持つウクライナの大統領、プーチン大統領です」と発言した。バイデン氏は、すぐに言い間違いに気づき「プーチンを打ち負かすことに集中し過ぎた」と釈明し「プーチンを倒すゼレンスキー大統領です」と訂正した。これに対し、ゼレンスキー氏は「私の方が(プーチンより)優れている」と応えた。バイデン氏が言い間違えた瞬間、会合の映像が流れていたプレスセンターは騒然となり、頭を抱える記者の姿もあった。

その後、バイデン氏は、NATO首脳会議の閉幕に合わせておよそ1時間におよぶ会見を行った。会見では、ゼレンスキー氏とプーチン氏を言い間違えたことをめぐり、記者から「世界におけるアメリカの地位にとって痛手ではないか」と問われた。これに対し、バイデン氏は、言い間違えたことは認めた上で、NATO首脳会議の成果を繰り返しアピールした。

バイデン大統領
「自己満足に聞こえるかもしれないが、他の首脳らが私に感謝し、『私たちが一緒にいるのはバイデンのおかげだ』と言ってくれた。私が長い間出席してきた会議の中で、最も成功したものだと私は思った。そう思わなかった世界のリーダーがいるなら見つけてくれ」

■ハリス副大統領を「トランプ副大統領」と言い間違え

バイデン氏の言い間違いはこれだけで終わらなかった。会見で記者から「ハリス副大統領が大統領候補となった場合の懸念」を問われた際、「彼女が大統領にふさわしくないと考えていたら、私はトランプ副大統領を副大統領に選ぶことはなかっただろう」と述べた。ハリス副大統領とトランプ前大統領とを言い間違えた形だ。この言い間違いに対し、トランプ氏はすぐさまSNSで反応。バイデン氏が言い間違えた瞬間の映像とともに「よくやった!ジョー!」と投稿した。会見を終えたバイデン氏は、トランプ氏の投稿を引用し、「私は(ハリス氏とトランプ氏の)違いを知っている。一方は検事で、もう一方は重罪犯だ」とコメントした。

バイデン氏の会見を聞いていたアメリカメディアの記者は、「悲惨な状況だ」「トランプ前大統領への大きな手助けになったのは疑いようもない。つまり、彼は年を取り過ぎていて出馬できないというシナリオに完全にはまった」と語った。

■バイデン氏の支持者の過半数が「撤退すべき」 米世論調査

アメリカABCテレビとワシントン・ポストなどは、6月に行われたバイデン氏とトランプ氏の討論会を受けて、7月上旬に合同世論調査を実施した。その結果によると、バイデン氏が選挙戦から「撤退すべきだ」と答えた人は、回答者の67%に達した。さらにバイデン氏の支持者でも54%が「撤退すべき」と回答した。

バイデン大統領は、11日の会見で「私が大統領選に出馬する最も適任な人物だと考えている」と強調し、大統領選挙からの撤退を否定したが、言い間違いを重ねたことで撤退圧力がさらに強まるのは必至だ。