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パキスタン総選挙、与野党ともに勝利宣言の異例事態 今後は連立交渉が焦点

2024年2月11日 15:14
パキスタン総選挙、与野党ともに勝利宣言の異例事態 今後は連立交渉が焦点
AIで作成したとするカーン元首相“勝利宣言”(元首相の政党SNSより)

パキスタンで8日に行われた総選挙は開票作業が進められていますが、与野党ともに勝利を宣言する異例の事態となっています。今後は連立交渉に焦点が移りますが、混乱も予想されます。

パキスタンでは8日、選挙を妨害するテロを警戒して、全土で携帯電話の通信が遮断される中、総選挙の投票が行われました。

地元メディアによりますと、開票作業はほぼ終わり、当初の予想に反してカーン元首相が支援する無所属候補の勢力が躍進しました。

カーン氏はクリケットの元スター選手で、汚職などの罪で収監されていますが、依然として国民の人気は高く、陣営はAIで作成したとするカーン氏のメッセージ動画をSNSに投稿し、勝利を宣言しました。

一方、シャリフ元首相率いる与党は、政治に影響力を持つ軍と関係が近いとされていて、シャリフ元首相は政党として最多の議席を獲得したとして勝利を宣言しました。

異例の事態となる中、両者とも連立政権の樹立を目指すとしていて、今後は多数派工作が激化するとみられ、混乱も予想されます。

パキスタンでは近年、歴史的な洪水被害や物価高などが国民生活を圧迫していて、政情不安が続けば喫緊の課題である経済の立て直しに影響する恐れもあります。