「タイタニック号」探索ツアーの潜水艇が消息絶つ 酸素は96時間分 乗客乗員5人は…
大西洋に沈没した「タイタニック号」の残骸を探索するツアーで、乗客乗員を乗せた潜水艇が消息不明になっています。現場海域の水深は約4000メートルで、沿岸警備隊などが捜索活動にあたっています。
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イギリスの豪華客船「タイタニック号」は1912年にイギリスを出航した後、大西洋で氷山に衝突して沈没し、水深約4000メートルの海底に眠っています。この沈没によって約1500人が犠牲になりましたが、1997年にはレオナルド・ディカプリオ主演で映画化もされ、今もなお多くの人に知られています。
このタイタニック号を一目見ようと、小型潜水艇に乗って向かう観光ツアーがアメリカの民間会社によって行われていました。しかし、現地時間18日、カナダ東部を出発した潜水艇は、海中に潜った後に消息を絶ったのです。
タイタニック号が眠るのは水深約4000メートルの深海。潜水艇は潜水を始めて1時間45分後、カナダのニューファンドランド島の沖合で、行方不明になったということです。
沿岸警備隊(米・ボストン、19日)
「我々はできる限りのことを確実に行い、潜水艇を発見し乗っている人たちを救出します」
行方不明の潜水艇「タイタン」は、全長6.7メートルで5人乗り。乗客4人と乗員1人が乗っていました。ツアーの参加費は1人25万ドル、日本円で3500万円ほどです。
ロイター通信によると、乗客の中にはパキスタンの実業家とその息子や過去に民間で宇宙旅行の経験があるイギリスの富豪で冒険家のハミッシュ・ハーディングさんも乗っていたということです。
沿岸警備隊
「潜水艇は緊急事態が発生した場合、96時間耐えられるように設計されている」
ツアー会社のホームページによると、潜水艇には4日分の緊急用酸素を積んでいるといいます。
この事故を受け、ツアー会社は「私たちは、潜水艇のクルーとその家族に全力を注いでいます。潜水艇との連絡が復活するよう努力を続ける中、多大な支援をしてくれている政府機関や深海企業に深く感謝します」とのコメントを発表しました。
ロマンを求めて潜行した末に消息不明となった潜水艇。沿岸警備隊などが水中だけでなく、航空機を使って空からも捜索活動にあたっています。