トランプ氏返り咲きに警戒感 イスラム組織ハマス幹部に単独インタビュー
ICC=国際刑事裁判所が戦争犯罪や人道に対する犯罪の疑いでイスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を出しました。そのネタニヤフ首相と親しいのがアメリカ大統領に返り咲いたトランプ氏です。戦争を終わらせるというトランプ氏をどうみているのか、私たちはイスラム組織ハマスの幹部に接触しました。
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大統領への返り咲きが決まったトランプ氏。イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの戦争を終わらせると選挙中から豪語していました。
トランプ氏(4日)
「中東の混乱を終わらせる」
1年以上にわたりイスラム組織ハマスとイスラエルによる戦闘が続くガザ地区。ガザ地区保健当局よると、これまでのパレスチナ側の死者は4万4000人以上にのぼっています。
トランプ氏の返り咲きをガザの住民はどう受け止めているのか。話を聞くと複雑な心境を語りました。
ガザ地区住民 ジューダさん(29)
「戦争を終わらせることができるのはトランプ大統領、アメリカの大統領だけです」
ガザ地区に住むアフメド・ジューダさん、29歳。戦争前は建てたばかりの新居で家族とともに暮らしていました。しかし、戦争が始まりイスラエル軍の空爆が自宅の隣を直撃。避難先でも空爆にあい、着の身着のまま難民キャンプに逃げ込みました。終わることのない戦争でハマスへの不信感が募るようになったといいます。
ガザ地区住民 ジューダさん
「戦争を止めるのは私たちの責任ではなく、戦争を始め実行したハマスの責任です」
一方で、トランプ氏が戦争を終わらせたとしても、パレスチナ人にとって不利な形で幕引きを図るのではないかと不安を抱いています。
ガザ地区住民 ジューダさん
「トランプ氏にとって戦争を終わらせることは殺りくを止めることにすぎませんが、ガザ地区の私たちにとっては戦争の後にも食料・仕事・住まい・教育の問題など、様々な苦難と戦い続けることになるんです」