「住みたい田舎ランキング」1位 千葉・いすみ市の魅力は?
コロナ禍で制限のある生活が続く中、移住が注目されています。「住みたい田舎ランキング」で、1位となった千葉・いすみ市はどのようなところなのでしょうか。
◇
去年引っ越しをした村田陽二さん(39)。以前から興味があったという古民家を購入し、家の床材を再利用した縁側など、自分好みにDIYしました。
去年引っ越しした村田陽二さん(39)
「縁側にすごいあこがれがあったので、まず縁側を作ろうということで作りました」
土地や家の購入費を含め、約1500万円で妻と2人で理想のマイホームを手にしたといいます。
2人が引っ越した場所は、千葉県南東部に位置するいすみ市です。マリンスポーツに適した海や、季節により表情をかえる山。さらにのどかな田園風景など豊かな自然が魅力のこの場所が今、移住先として人気が高まっているといいます。
先月、雑誌「田舎暮らしの本」が発表した「住みたい田舎ランキング」。全国751か所の自治体が回答した276項目のアンケートを基に旬な移住地をランキング形式で発表しました。このランキングでいすみ市は、全国を12エリアに分けたもののうち、首都圏エリアの子育て世代部門で1位を獲得しているのです。
「田舎暮らしの本」柳順一編集長
「(リモート化が進み)東京通勤圏の週に1回東京の勤務先に出ればいいというようなところ。そういったところが人気が上がったと。(いすみ市は)コロナ禍になってますます多くの方の関心・人気が高まっている自治体」
村田さん夫婦もコロナ禍をきっかけに移住を決断しました。
現在、仕事はほぼリモートワークになっていますが――
村田陽二さん(39)
「仕事の関係でどうしても東京に行くことは避けられないと思っていたので、交通の便踏まえて、いすみ市がいいなと」
自然の中にありながら、都会へのアクセスの良さが魅力のいすみ市。特急を使えば東京駅まで70分ほどで移動が可能です。急に出社が必要な時にも対応できるのが魅力の1つだといいます。
村田陽二さん(39)
「移住されてる方が多いエリアになるので、すんなり受け入れてもらったっていうのは本当によかったと思います。後悔は全くしてないですし、むしろもっと早くできてたらなって思います」
さらにいすみ市は「住みたい田舎ランキング」で子育て世代だけでなく、「シニア世代」や「若者世代・単身者」の部門でも1位を獲得しているのです。
魅力はアクセスの良さだけにとどまりません。
約10年在住・いすみ市民(50代)
「(食材が)新鮮ですね。スーパーで買うよりは地元の物を買いたいと思っているので、直売所の多いいすみ市はおすすめだと思います」
市民が魅力の1つだと語ったのは直売所の多さです。市内でとれた新鮮な野菜や魚を販売する直売所が30か所ほどあり、手軽に安く手に入るということです。また、国道沿いにはスーパーなどもあり、買い物に不便を感じることは少ないと話します。
さらに、子育て世代をサポートする制度も充実しています。
約30年在住・いすみ市民(30代)
「気軽に病院には行けると思います。300円なので」
いすみ市在住であれば、高校生まで医療費の自己負担額はなんと1回300円。入院の場合にも適用され、1日あたり300円の負担で済みます。
“都会へのアクセス”から食、医療まで充実しています。
注目されるいすみ市。今後の展望は――
千葉・いすみ市・太田洋市長
「働き盛りの幸せ、安心、そして高齢者の介護福祉を充実しながら、すべての市民が移住者も含めて住んでいる人が幸せを感じられるような町づくりのモデルをいすみ市で作っていきたいと思います」
コロナの影響で、田舎への注目度が高まっています。