ハンディータイプの扇風機で「涙が蒸発」“目の乾燥”に注意 医師に聞く“風の当て方”は?
猛暑が続く中、暑さ対策のため「ハンディータイプの扇風機」が人気ですが、“目の乾燥”を訴える患者が急増しているといいます。風の当て方によっては、瞳を覆う涙が蒸発するということですが、目のトラブルを防ぐためには、どのように使用すればいいのでしょうか。眼科医に聞きました。
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記録的な猛暑が続く今年の夏、暑さ対策に欠かせないのは、持ち運びができるハンディータイプの扇風機です。
家電専門店には多くの商品が並んでいます。小さな箱のような形で扇風機が飛び出す仕組みのものや、ネックレスのように首にまくタイプのものまで種類も豊富です。
ノジマ 高橋千晶さん
「今年はお出かけされる方が多くなってきて、暑いということもあるので、持ち運びに使われる方がご購入されていて、売り場も大きく展開しています」
今年のハンディ扇風機の売り上げは、去年の倍になっているといいます。
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欠かせないハンディ扇風機。一方で、眼科の医師は“目の乾き”に注意すべきと指摘します。
伊藤医院副院長 眼科・有田玲子医師
「ハンディの扇風機を顔に当てることで、ドライアイになりやすいのではないか」
実際に「現代人の角膜ケア研究室」による、ハンディ扇風機を使った実験では通常の瞳では涙が瞳を覆っていますが、1分間、扇風機の風を当てた瞳では涙が蒸発し、まばらになっているのがわかります。
伊藤医院副院長 眼科・有田玲子医師
「結構安心して使っているのではないかと思うが、そうしたもの(ハンディ扇風機)で、短時間で涙が飛んでしまうというのは、すごくびっくり」
この病院では、目の乾燥を訴える患者が急増していて、多くがハンディ扇風機を使っていたといいます。
伊藤医院副院長 眼科・有田玲子医師
「角膜を守っている涙がなくなるのは、目にとってすごく危ないこと。疲れ、かすみ、痛みとか、充血とか、乾くとか色んな症状が出てきてしまいます」
マスクをつけているため、目元など露出している部分に扇風機を当てがちになってしまいますが、医師によると「首元に下方向に当てる」か、「顔に当てる場合は目を閉じる」など、目に風が当たらないようにしてほしいといいます。
さらに、コロナ禍ならではのリスクもあるということです。
伊藤医院副院長 眼科・有田玲子医師
「『マスクをしている時だけドライアイになる』という患者も結構いる」
「現代人の角膜ケア研究室」による、サイズがあっていないマスクをつけた時の実験では、マスクの上の部分から息が漏れ、目を直撃していました。涙が蒸発し、目が乾燥するため、自分に合ったサイズが重要だといいます。
暑さが続く中、目のトラブルに注意が必要です。