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本屋さんで漬けもの販売?! “発酵の町”に伝わる秘伝のレシピ 100年床のぬか漬けも

2022年8月17日 21:52
本屋さんで漬けもの販売?! “発酵の町”に伝わる秘伝のレシピ 100年床のぬか漬けも

免疫力を高めるとされ、コロナ禍で改めて注目されている発酵食品。その「達人」を訪ねるシリーズの第2回。“発酵の町”として知られる滋賀県長浜市の木之本を訪ね、町に代々伝わる秘伝のレシピを教わった。

■書店で発酵食を販売

琵琶湖の北側に位置する滋賀県長浜市。木之本町は、風情ある町並みに江戸時代から続く酒蔵や醤油蔵が点在する言わば「発酵の町」だ。暮らしにも発酵文化が根付いていて、何と書店でも「発酵食」が売られていた。

ニシンを大根と糀で発酵させた郷土食。作っているのは店主の妻、岩根文子さん(80)だ。お店の裏には、地元の古い家屋には必ずあるという漬物小屋も。そして、その漬物小屋にあったのは、岩根さんが「おばあちゃんから引き継いだ」という“ぬか床”。新しい糠を注ぎ足しながら、大事に育ててきたのだという。まさに“発酵の達人”だ。

■受け継がれる発酵食の知恵

豪雪地域にある木之本では、冬の間の保存食として発酵食を作る知恵が受け継がれてきた。

そんな木之本の家庭料理を食べるカフェがある。料理を作っているのは 50代から70代の地元の主婦たち。メニューは、手作りの赤味噌を使ったナスの田楽や、お麩ときゅうりを辛子酢味噌で和えた「丁字麩辛子和え」。たくあんを出汁で煮た「贅沢煮」などなど。

そして今回の取材では、木之本の住民たちが家庭で食べている「発酵おかず」も特別に出してもらった。中でも代表的なのが滋賀県を代表する郷土料理、「鮒(ふな)ずし」。塩漬けした琵琶湖産の「ふな」にご飯を詰め、半年間、乳酸発酵させた保存食で、昔からお祝いの席や滋養強壮、腹痛の時の薬代わりにも食べられてきたそう。

■ネット販売で伝統の味を全国へ

しかし、そんな木之本でも発酵食をつくる家庭は減ってきているのだという。このため、県外から移住してきた若い夫婦に奈良漬けの作り方を教えたり、木之本の味を全国で味わってもらうため、「オカンの発酵便」と銘打ってネット販売を始めたりするなど、代々受け継がれてきた発酵文化を残そうと奮闘中だ。

■“腸活”アレンジレシピも

腸の働きを活性化させるといわれる発酵食。奈良漬けにも、色々な食べ方があるということで、運動と食事の両面から健康指導を行っているティップネス・インストラクターの田中咲百合さんに聞いた。

まずは奈良漬けを使った、名付けて「腸活ふりかけ」。発酵食の奈良漬けに、食物繊維豊富なきのこを合わせる。みじん切りにしたしいたけ、エリンギ、生姜をごま油でいため、みりんとしょうゆで味つけ。火をとめたら風味づけに山椒とハチミツを加えるが、奈良漬けは菌や酵素の働きが弱くならないよう、粗熱がとれたあと、最後に入れるのがポイント。なじませたら「腸活ふりかけ」の完成!

冷蔵庫で1週間ほど保存ができ、ごはんはもちろん、アボカドにふりかけたりしてもいいし、マヨネーズにまぜて、焼いたはんぺんにディップして食べてもおいしいそうだ。 そして、奈良漬けの酒粕も活用。豚バラ肉に奈良漬けの粕をよくもみ込み冷蔵庫で1日寝かせてから焼くと酒粕がタンパク質を分解してくれ、お肉が驚くほどやわらかく、旨味もアップ! サラダにのせたら消化にやさしい「漬けおき豚の焼きしゃぶサラダ」が完成だ。

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