寝苦しい……「睡眠の質」上げるには? 低下で心筋梗塞リスク、“仕事のミス”増加も 寝だめは NG?【#みんなのギモン】
そこで今回の#みんなのギモンでは、「暑くて寝苦しい…どう改善?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。
●睡眠時間 夏は短い?
●睡眠の質 上げるには
「先週末からぐっと暑くなって夜も寝苦しく、『エアコンつけようかな』という感じになっていませんか? 街の皆さんからも、こんな声が上がっています」
主婦(40代)
「すごく暑くて、毎日クーラーをつけて寝てます。子どもも寝苦しくて起きちゃって、そこから寝られなくなったりもしていたんで、だからもうクーラーをつけることにしました」
飲食業(20代)
「あまり寝られてないです。夜中に起きちゃうことが多くて。(睡眠時間は)トータルだと5時間くらい。3時間ぐらいで1回目覚めて、2~3時間また寝て、という感じです」
販売業(60代)
「(部屋を)寝る前に 1 回冷やしておいて(エアコンを)切るけど、夜中にまた『やっぱり暑いな』となってまたつける。起きた時も結構だるだるで、疲れてますね。結局仕事にも影響しちゃう。疲れてそのまま仕事行くからね。仕事で休憩時間はもう爆睡です」
菅原解説委員
「皆さん眠れてなくて大変そうです」
鈴江奈々アナウンサー
「自分だけじゃないんだって、ちょっと安心しましたが…。エアコンを3時間くらいで切るタイマーをつけるんですけど、目が覚めちゃうんですよ」
森圭介アナウンサー
「まだ(エアコンは)つけてませんけど、朝は汗だくです」
斎藤佑樹
「アスリートは睡眠を大事にするので、エアコンつけて寝ています。ちゃんと眠れますね」
菅原解説委員
「厚生労働省の『健康づくりのための睡眠ガイド2023』によると、冬に比べて夏は睡眠時間が10~40分程度短くなるそうです」
刈川くるみキャスター
「朝の5分や10分は本当に貴重なので、40分も短くなると体への影響も心配です。夏に睡眠時間が短くなる理由には何があるんでしょうか?」
菅原解説委員
「主な原因としては、夏は日の出から日の入りまでの時間が長いことに加え、寝室が高温多湿になることが考えられます。日が暮れるのが遅いと、眠くなるのも遅くなってしまう。そして、ジメジメ暑いと寝苦しいということです」
菅原解説委員
「では、睡眠時間は何時間くらいとればいいのでしょうか? 厚労省の同ガイドによると、成人は 6 時間以上、小学生は 9~12 時間、中高生は 8~10 時間を推奨しています」
「一方、高齢者は睡眠時間が長すぎると逆に健康リスクとなるそうです。そのため、寝床にいる時間が8時間以上にならないようにとされています」
鈴江アナウンサー
「年代によって睡眠のとり方、時間が随分違います。最近の子どもたちって本当に忙しいので、私の子どもも小学生ですけど、9 時間は頑張ってもとれないですね」
森圭介アナウンサー
「とれないとれない。平日は無理ですね」
鈴江アナウンサー
「睡眠時間が少ないことの影響も気になりますよね」
菅原解説委員
「関東ではまだですが、九州や四国などは梅雨入りしました。梅雨時期の睡眠などについて、化学メーカーの日本ゼオンが男女約 1000 人に対し、5 月下旬に行ったアンケート調査があります」
「『毎年梅雨時期に不調を感じますか?』という問いに、『とても感じる』『少し感じる』と答えた人が、合わせて半数以上の 54%いました」
菅原解説委員
「この方たちに、どんな症状があるのか聞きました。1 位は『やる気の低下』(58%)で、『気分の落ち込み』(48.5%)、『頭痛・頭が重い』(34.3%)、『だるさ』(32.3%)、『疲れやすい・疲れが取れにくい』(24.3%)と続きました」
「6位は『睡眠の質の低下』で、5人に1人ほどの22.9%の人が感じていました」
森アナウンサー
「『睡眠の質』という言葉を最近よく聞きますよね。恥ずかしいですが、自分の睡眠の質が高いか低いかよく分かっていないです」
斎藤キャスター
「難しいですよね。僕は高いと思っています」
鈴江アナウンサー
「低いと思います」
刈川キャスター
「低いと思います」
森アナウンサー
「自分の睡眠の質がどうなのか、誰かに判定してほしいんですよね」
菅原解説委員
「目が覚めた時に『疲れが取れたな』と感じるかどうかがポイントだそうです」
菅原解説委員
「睡眠の質が低下すると、どんな影響があるのか。久留米大学の学長で日本睡眠学会理事長でもある内村直尚さんに聞きました。これからの季節、特に気を付けたいこととしては代謝やホルモンバランスが悪くなることにより、熱中症になりやすくなるそうです」
「身体面では肥満や認知症、心筋梗塞などのリスクが高まります。また疲れる、やる気が出ないなど精神面や思考力にも影響が出て、仕事などでミスが増えたり、注意力が散漫になって事故につながったりなど、重大な事態にもつながりかねないということでした」
刈川キャスター
「危ないですよね。先日受けた健康診断で『脳が疲労しています。ストレスがまだたまっている。解消するには睡眠の質を上げてください』と言われました」
森アナウンサー
「上げたいけど、どう上げればいいか分からないんですよ。睡眠時間をたっぷりとっていればいいというわけじゃなくて、質が高い睡眠を大人だったら6時間以上とらないといけないということですよね」
菅原解説委員
「睡眠時間が短くなってしまうと、それはそれで質は低いということです。寝付きにくい、寝苦しい季節になってきましたが、睡眠の質を上げるにはどうしたらいいのでしょうか? 内村さんによると、まず日光を浴びて体内時計を整えることがあります」
「曇りや雨の日が多い梅雨時は一番体内時計を整えにくいといいます。雨が降って雲に遮られていても、太陽の光は弱いながらも届いているので、整えるためには午前中に20~30分ほど日光を浴びるといいそうです」
「そして寝始め3時間が重要だそうです。最初の3時間ほどが一番眠りが深く、本来は3時間深く眠って、だんだん眠りが浅くなり、朝になって目が覚めるというサイクルになっています。そのため、寝始めからの3時間にぐっすり寝ることが重要だといいます」
「そのためには睡眠環境を整える必要があります。エアコンについては、室温25~26度ほどを維持することが大事です。28度以上になると寝苦しくなって目が覚めたりしやすいです」
森アナウンサー
「エアコンの設定温度は28度ぐらいにしていますが、もうちょっと低い方がいいんですか?」
菅原解説委員
「エアコンの設定温度ではなくて、室温です」
森アナウンサー
「部屋の広さによって違うでしょうね」
菅原解説委員
「夜中もかなり暑い時は、朝までつけておいた方がいいそうです。エアコンが苦手で窓を開けて寝るという方もいると思いますが、音がうるさかったりカーテンの隙間から光が入ってきやすくなったりして、睡眠の環境としてはあまり良くないそうです」
森アナウンサー
「日の出が早いので、4時半ぐらいに目が覚めてしまいます」
菅原解説委員
「斎藤さんはアスリートとして睡眠にこだわっていると思いますが、心がけていることを教えてください」
斎藤キャスター
「野球選手だった頃からそうですが、トレーニングは夕方くらいにして、早めにご飯を食べてお風呂に入って、温度が下がってきたぐらいに寝付く。食事と睡眠の間は2~3時間は空けたいですね。胃にあまりものがない状態で寝に行きたいな、という感じです」
菅原解説委員
「内村さんも同じことをおっしゃっていました。どうしても午後眠くなるという場合には昼寝をするといいそうですが、30分以内で。それより長く昼寝をすると、夜の睡眠の質が悪くなるので逆効果だということです」
「私もよくやってしまいますが、週末の寝だめは絶対ダメだそうです。逆に体のリズムが狂ってしまうので、皆さん気をつけてください」
(2024年6月17日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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