地元で愛される“名物パン店” 物価高のなか…お手頃価格を維持する工夫と努力
昭和の時代から長年、地元で愛される町のパン店を取材しました。物価高のなか、お手頃な価格で提供するための工夫や努力がありました。
米澤かおりキャスター
「ありました!ほっかほかのジャンボパンと書かれていますね」
米澤かおりキャスターが訪ねたのは、東京・南千住駅から歩いて10分ほど、昭和32年に創業し、およそ70年続くパン店『青木屋』。
こちらのお店の名物は…
米澤かおりキャスター
「コロッケパン300円。メンチカツパン350円」
揚げ物を使った総菜パンです。一番人気だというコロッケパンは、北海道産男爵芋のコロッケを甘くやわらかいコッペパンに挟んだ一品です。
特徴は25センチ近くあるそのボリューム!米澤キャスターの顔と比較しても大きなことがわかります。
米澤かおりキャスター
「パンはふわふわ!しっとりホクホクなジャガイモ。全部おいしいです。パンがほんのり甘くて、甘辛いソースとすごくよく合います。これで300円ってやっぱり考えられない」
青木屋 店主 青木健志さん
「コッペパンって昔は大きかったじゃないですか。それがやっぱり下町の味だしいいかなと思って」
実は、昨年度のパン店の倒産件数は過去最多を記録。小麦などの原材料高騰や、高級食パンブームの陰りなども影響しているといいます。
物価高の中でも低価格で続けていけるのには理由が…
青木屋 店主 青木健志さん
「種類を絞っている。種類が増えるとそれだけ時間かかっちゃう。4種類の方が効率的にいい」
挟む具材を4種類に絞ることで材料や廃棄を減らすことができ、お手頃価格を維持できているといいます。毎週買いに来るというお客さんは…
常連客
「これを食べると仕事も元気に頑張れる」
青木屋 店主 青木健志さん
「安くて、おいしくてっていうのが一番の魅力。昼の主食にいいかな」
続いては、東京・志村坂上駅から徒歩およそ5分の『マルフクベーカリー』。創業は昭和23年、80年近く地元の人に愛されているお店なんだそうです。
常連客
「私は小さい頃ここに住んでいて、ガキの頃からちくわのパン」
週末には200本近く売れるというその名も『ちくわのフリッター』310円。
半分に切ったちくわをカレー粉で味付け。キャベツ、マヨネーズと一緒にパンで挟んだお店の名物です。
米澤かおりキャスター
「ドンっとちくわが一本!インパクトありますね。カレーの風味がガツンと来ますね。後からマヨネーズのまろやかさ、キャベツのシャキシャキ感、絶妙にマッチしていてとってもおいしいです」
『ちくわのフリッター』には半世紀近い歴史があるそうで。
マルフクベーカリー 店主 阿部憲和さん
「自分が幼稚園の時に、母がお弁当のおかずに作っていたものを商品化した。こだわったお店では、2つ買ったら1000円超えちゃうところたくさんある。高いとおいしくても毎日食べられない。僕は毎日来ていただきたい」
実は、地元の学校でも販売を行い、物価高の影響が大きい学生でも手に取りやすい価格にこだわっているといいます。お手頃価格の秘けつは?
マルフクベーカリー 店主 阿部憲和さん
「(パンの原材料などを仕入れる)業者さんって3社くらい。うちは8社入ってもらってる。たくさん売るから安くしてくださいという交渉で(安く仕入れている)」
複数の業者と値段交渉をすることで、より安く仕入れる努力をしていると言います。また、持ち家で営業していて家賃がかからないため低価格を維持できているそうです。
物価高で苦境に立たされる中、アイデアと工夫で地元に愛され続けていました。
(3月14日放送『Oha!4 NEWS LIVE』より)