ユーチューバー「がんは個性」 闘病生活を全力で配信 くらっPさんが伝えたいこと
2月4日は世界対がんデーです。去年、がんと診断された28歳の男性が闘病生活をユーチューブで発信し続けています。「がんは個性」と話す男性の思いを取材しました。
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ユーチューブで見つけた1人の青年。
くらっPさん
「どうもみなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは! くらっPという者です。自分の体の方にがんが見つかったということですね…」
ユーチューバーのくらっPさん、28歳。去年、大腸がんを突如告げられました。
くらっPさん
「現状というのを知ってもらいたいので、見せていこうと思います」
この1年、ありのままの闘病生活を、YouTubeで発信し続けています。がんは肝臓にも転移し、ステージは最も深刻な4。それでも…
くらっPさん
「がん系ユーチューバーでございます、YES!! どの動画も配信も楽しくをモットーにやっておりまーす! はい、ポジティブにね!」
つけたチャンネル名は、『ポジティブがん闘病Ch』。
先月、くらっPさんのもとを訪ねました。
くらっPさん
「大腸がんと言われた時の、一番最初の検査結果です。病院に行く3か月前からですかね、ずっと、けん怠感と吐き気がありました。『なんとかなるだろう』って感じで、普通に仕事したりとかしてましたね」
自然におさまると思い、病院へ行かなかったというくらっPさん。しかし、違和感の正体は、進行したステージ4のがんでした。
くらっPさん
「正直なところ言うと、普通に受け止めちゃったんですよね。衝撃とかもなくて、『がんかー』みたいな。自分、無個性だと思ってたんですね、空気のように生きてきたんですよね。一言で言うと…(がんは)個性ですかね。両刃の剣ですけどね」
“がんは個性”。その生き様をユーチューブで表現することにしました。
くらっPさん
「前提として、がんを余裕で治せるという気持ちもありますし、楽しく生きた方が絶対いいと思うので、いろんな人に感謝しながら生きてますね、楽しくですね」
前向きにがんと向き合うくらっPさん。ただ、笑顔を奪われる日があります。
くらっPさん
「じゃあ、行きますか…」
2週間に1度の、抗がん剤治療に向かう日。半日かけて病院で投与します。夕方、帰ってくると…。
――体調、どうですか?
くらっPさん「体調は良くないです…」
抗がん剤の副作用で、階段を上るのも、やっとの状態。実は、自宅に帰ってからも…
くらっPさん
「抗がん剤の一部である薬を持ち帰って、今、入れてるところです」
抗がん剤を見せてくれました。
くらっPさん
「このあと46時間、体の一部みたいな感じで、首にかけたりしながら生活してますね」
投与の時には毎回サポートに来ているという、くらっPさんの母親。
くらっPさんの母
「やっぱり、つらそうにしているのを見ると、親として申し訳ないな…って感じることがあります。『なんでうちの息子が』って、やっぱり思いました」
ただ、息子が始めた“ユーチューブ活動”をこっそり見るうちに…
くらっPさんの母
「『自分は自分の人生を生きる』って感じで、私たちも元気づけられるというか、だいぶ無理もしてるところもあるとは思うんですけど、『無理なくしてね』って見守っていきたいと思ってます」
抗がん剤を投与したこの日も…パソコンの前に座って、カメラをセットします。
くらっPさん
「よろしくおねがいします!! さぁ…!」
つらい姿も、全力で配信。
くらっPさん
「勇気づけるつもりは自分はないですけど、そういう風に(勇気を)感じ取れる方がいらっしゃれば、見ていただきたいなーと思いますね」
くらっPさんが伝えたいこと。
くらっPさん
「自分の体が『おかしいな』と思ったら、本当に(病院に)行ってほしいです。じゃないと、こうなります、ヘタしたら。本当に無理しないでほしいです。それは伝えたいです、はい」