鳥の巣を見つけて"ポイ活"⁉ 中部電力PG『クエスト:電柱の鳥の巣の写真を撮ろう』 情報提供で停電を未然に防ぎ点検の効率化
電柱の上に作られた鳥の巣情報を“ポイ活アプリ”で収集
中部電力パワーグリッドが鳥の巣の調査のために採用したのは、「ジオクエConnect」というユーザー参加型のサービスです。
「ジオクエConnect」とは、ポイ活アプリ「ジオクエ」を使って全国のインフラ設備や施設の情報を収集し、企業や自治体に提供するというもの。アプリを提供するジオテクノロジーズ株式会社によると、インフラ管理の効率化や迅速な現地調査の実現を目指し、開発したといいます。
情報を集めるのはアプリのユーザー。アプリ内で出題されるクエストに応じて、写真付きで情報を投稿することで“マイル”と呼ばれるポイントを獲得でき、貯まったポイントはAmazonギフトカードや他社のポイント、現金などに交換することができます。
中部電力パワーグリッドは、このアプリの中で「【愛知県三河地区限定】電柱にできた鳥の巣の写真をとろう」というクエストを出題。鳥の巣の調査を行うという、全国的にもめずらしいポイ活を活用した取り組みを3月3日にスタートしました。1週間が経過した3月10日時点で、すでに80件の投稿が寄せられているということです。
鳥の巣が停電の原因に…“ポイ活アプリ”で点検を効率化
春から初夏の時期はカラスなどが電柱の上に巣を作ることが増え、巣材に使われた枝や針金などが電柱の機器に接触すると停電の原因になります。
中部電力パワーグリッドの担当者によると、2024年2月から6月の間に三河地域で見つかったカラスなどの鳥の巣は2463個で、そのうち外部からの通報で発見したのは938個、カラスの巣などが原因で発生した停電は15件あったということです。
カラスなどは毎年同じ場所に鳥の巣を作る習性があるため、同社では過去に巣が確認された場所を2週間に1回のペースで点検していますが、年々点検にあてる時間が増加し、効率化が課題となっていました。
昨年からは「鳥の巣みまわりキャンペーン」という、地域の人に通報してもらう取り組みを地区限定で実施していますが、このキャンペーンでは社内システムが使用されていて、通報するたびに個人情報の入力などが必要でした。
「ジオクエConnect」は、アプリにユーザー登録をしている人が利用するので、必要なのは写真と位置情報のみ。さらに手軽に通報することが可能です。
担当者は「これまでも地域のみなさまからの通報はたくさんありましたが、さらに手軽に通報していただけるようになれば、より一層、電力の安定供給につながる」と期待を寄せています。
調査の対象地域は、愛知県三河地区(岡崎市、幸田町、蒲郡市、西尾市、刈谷市、知立市、高浜市、碧南市、安城市、豊田市、みよし市、豊橋市、田原市、豊川市、設楽町、東栄町、豊根村、新城市)。対象地域内の電柱に作られた鳥の巣の拡大写真と電柱全景、電柱番号を撮影して投稿するとポイントが貯まります。調査期間は5月31日まで。
鳥の巣調査のクエストは、1回の投稿で1万2000ポイントを獲得でき、3件投稿すると300円のAmazonギフトカードなどに交換できます。(ポイントは投稿内容の審査後に付与されます)
ポイ活アプリを活用したユーザー参加型の鳥の巣調査。インフラ管理の新たなモデルとして、今後、選択肢の一つになっていくかもしれません。