備蓄倉庫はプールの更衣室!防災備蓄の “保管場所不足”をしのぐ工夫、市内46か所の避難所で食料や簡易ベッド、パーティションを確保 愛知・蒲郡市
阪神・淡路大震災から30年。食料や水はもちろん、簡易ベットやパーティションなど求められる種類が増えてきた備蓄品。限られた“備蓄スペース”で、自治体の工夫がされていました。
備蓄倉庫は「プールの更衣室」
愛知県蒲郡市で、一番充実している“備蓄倉庫”だと聞いてやってきたのは『大塚中学校』。
蒲郡市危機管理課 山本一彦さん:
「こちらの大塚中学校は、比較的規模の大きい避難所で、避難所の備蓄品も充実しているところです」
体育館には避難所として使うことを想定し、去年の夏にエアコンを設置。照明も光の強さを調整できるものになっています。
備蓄品はどこにあるのかというと、なんと「プールの更衣室」。この中学校では、使われていない更衣室を備蓄倉庫として活用しているのです。
なぜ、更衣室が備蓄倉庫として使用されているのでしょうか。理由は、置き場所の“スペース不足”にありました。実は蒲郡市では、備蓄に適した広いスペースを確保できていないといいます。
蒲郡市危機管理課 山本一彦さん:
「大きい倉庫があれば、まとめて置いておけるというのも方法ではあるんですが、現状では“いい土地がない”というところで設置はしていません」
そのため、市内に46か所ある避難所それぞれでスペースを確保。この避難所では、湿気がこもりやすいという難点はあるものの更衣室を使わざるを得ないのです。
室内には、200人が3日過ごせる食料や水、スマホなどを充電できる蓄電池、さらにアルミの組み立て式ベッドも備蓄。
段ボールベッドの方があたたかいというメリットはありますが、この簡易ベッドなら、段ボールベッド1個分のスペースに、約12個も置くことができるといいます。
蒲郡市危機管理課 山本一彦 さん:
「どうしても備蓄をするスペースが限られてきますので、まずはこういう簡易ベッドを備蓄しています」
さらに、避難所で家族ごとにスペースを区切るための「パーティション」も備蓄。山本さんは「体育館に並べて、プライバシー保護にもなるので。こういうもので囲って、避難生活を送れるようにしています」と話しました。