冬の味覚「ミカン」がピンチ 猛暑で実が“はじける”!? 収穫量の減少は価格にも影響が… 愛知・東海市
11月11日、愛知県東海市の農園で収穫されていたのは市のふるさと納税にも登録される極早生「ゆら早生ミカン」。
スッキリとした酸味とジューシーな甘味が特徴です。
柿崎敏弘さん:
「今年は夏の暑さの影響で、少し実が小さめです。代わりに味がぎゅっと濃くなった感じで甘みが強く出ています」
日差しをたっぷり浴びた美味しいミカンができた一方で、実は、ある問題が。
柿崎敏弘さん:
「こちらが日焼けというものになります。形が変形してしまって、ミカンの色よりも黒々したものになっています。白っぽい筋だらけになって、食べてもカスカス、水分がない。こういうものは、出荷はできないので最終的には廃棄になる」
夏の強い日差しによる果実の日焼け。それだけではなく、猛暑や水不足などによって実がはじけてしまったミカンも。
さらには・・・。
柿崎敏弘さん:
「これがカタツムリに食われた跡になります。丸い穴が開いて、奥深く食べてしまうので間もなくこの実は腐ってしまいます」
気づいた時には農園の3分の1のミカンが被害を受けていたといいます。本来なら今年は実が多く収穫できる「表年」で20トン収穫できる想定が15トンほどに減ってしまう見込みに。
JAあいち知多によるとこうした被害は知多半島全域で確認されているといいます。
宮田農園では様々な対策をしてきましたが、人出や費用面でも大きくなる負担。
柿崎敏弘さん:
「自然相手でやっているので仕方ないと思う半面、ちょっとこれだけ猛暑が続くと来年以降もさらにひどい状態になるのかなと危惧している」
ミカンの不作は愛知県だけではなく、例年に比べ2割高いという自治体もあるということです。
JAなどによりますとミカンの三大産地といわれている、愛媛、和歌山、静岡の今年の収穫量の見込みが、愛媛は前年比-12%、和歌山は前年比-21%、静岡では予定収穫量より-10%ということです。
全国的な収穫量の減少にはこんな理由があります。
1つ目は実がはじけたり、日焼けするという猛暑による影響。
2つ目は着色の遅れ。ミカンは寒くなると色づいてくる。例年だとオレンジ色になっている時期なのに、今年はなかなか寒くならなかったため、まだ青みがかったミカンも残っているということです。
3つ目は“カメムシ被害”。暖冬の影響でカメムシが死なずに冬を越え大量発生。カメムシが果汁を吸い、変形したり、落ちてしまう被害があるということです。
収穫量の減少は価格にも影響していて、JAわかやまによりますと、去年よりも2割ほど値上がりしているということです。