パンからモーニングの玉子に変身!名古屋発祥『コメダ』の喫茶店が年間約60トンの“パン残渣”をリサイクル、「ゆで玉子」や「手作りたまごペースト」として提供
大手企業がさまざまなサステナビリティ活動に取り組んでいる近年。東海地方では、“パン残渣”で名古屋名物「モーニング」の玉子をつくる企業がいました。
その企業とは、名古屋発祥の喫茶店『コメダ珈琲店』。同社によると“パン残渣”とは、パンの製造工程で出たパンくず、パン生地などのことを指しているといいます。
同社ではこれまで、コーヒー抽出後に出る残渣をアパレル製品の染料に再利用したり、珈琲豆の輸入時に使用している麻袋を動物園に寄付するなど、さまざまなサステナビリティ活動に取り組んできました。
そんな同社が、新たな活動として取り組んでいるのが「食品リサイクルループ」。食品リサイクルループとは、食品関連事業者、再生利用事業者、農林漁業者などが連携して、食品廃棄物を飼料にリサイクルし、その飼料を使用して動物や野菜などを育てる循環モデルを意味します。
同社では、この循環をモーニングサービスでお馴染みの「パン」と「玉子」で実現。愛知県内の3つの工場から排出された“パン残渣”を、鶏の飼料にリサイクルし、養鶏に使用。その養鶏場にて生産された鶏卵を、一部の店舗で提供しているといいます。
『コメダ珈琲店』担当者曰く、「年間約60トンの“パン残渣”を排出している」という同社。実は同活動は以前より実施。2024年8月末、農林水産省・環境省・厚生労働省による食品リサイクル法に基づく「食品リサイクルループ」の認定を取得しました。
客への提供価値として、“くつろぐ、いちばんいいところ”を掲げている『コメダ珈琲店』。さまざまなサステナビリティ活動に取り組む理由として、担当者は「お客様の“くつろぎ”がいつまでも続くために、今後もコメダがお客様にとって、心からくつろげる場所であり続けるため」と明かし、「食品リサイクルループの認定もその一環です」と話します。
食品リサイクルループによって、一部店舗に提供された鶏卵は、現在も一部店舗に出荷。モーニングサービスのトーストと一緒に添えられる、「ゆで玉子」や「手作りたまごペースト」として登場しているといいます。