累計40億回再生超え バズる縦型ショートドラマ 撮影の舞台裏
SNSの累計再生回数が40億回を超えるという、縦型ショートドラマ専門のクリエーター集団『ごっこ倶楽部』。バズる作品を生み出し続ける舞台裏を取材しました。
米澤かおりキャスターが訪れたのは、都内で行われていたドラマの撮影現場。
米澤かおりキャスター
「今、ドラマの撮影の真っ最中なんです」
撮影スタッフ
「本番、よーい、はい」
撮影しているカメラは90度傾けて、縦の画角で撮影していました。これは、おもにスマートフォンで見ることを想定した縦型ショートドラマの撮影現場です。
縦型ショートドラマとは、1話が3分ほどと短く、スピード感のある展開が特徴です。心が動くストーリーを短時間で視聴できるとあって、特にタイムパフォーマンス、いわゆる“タイパ”を重視する傾向にある若い世代にウケているそうです。
そんな日本のショートドラマの先駆けといわれるのが、制作集団『ごっこ倶楽部』。結成からわずか3年で、制作本数は1200本、累計再生回数は40億回を突破したそうです。
俳優 早坂架威さん
「月に50本~60本出している」
一体どうやって撮影しているのでしょうか?
まずは、作り手に特徴が。俳優の早坂架威さんはこの日監督と俳優の1人2役。
早坂架威さん
「監督もやるし、編集もやるし、カメラも持つし、脚本も書くし、役者もできる。というマルチクリエーターをすごく大事にしている」
さらに撮影の手法にも、縦型動画ならではの工夫が。
女性が後ろの2人から通りすがりに“嫌み”を言われるというシーンの撮影では、画角が横に長いテレビの場合、後ろにある荷物が映ってしまいますが、縦型動画は横幅がカットされるので、カメラワークの工夫次第で限られたロケーションでも撮影が可能。圧倒的にコストが抑えられるといいます。
米澤かおりキャスター
「ものすごいスピード感です」
撮影は2時間ほど、背景を変えながらこの場所だけで1話分が撮り終わりました。
そんなショートドラマに今、さまざまな企業も注目しています。
今年1月には、航空会社が沖縄の離島路線のPRとして縦型ショートドラマをSNSに投稿。するとわずか1か月ほどで、再生回数は1000万回を超え、その路線の予約数が最大で投稿前の4倍に増えるなどの反響があったそうです。
ほかにも『ごっこ倶楽部』は、“はにかんでしまうような一瞬”をコンセプトにしたショートドラマを日本テレビと共同で制作しています。
『ごっこ倶楽部』がショートドラマを作り始めたのは、コロナ禍がきっかけだといいます。
GOKKO共同代表 多田智さん
「仕事がなくなった役者5人と、カメラマン1人、6人で最初始めて。何だったら役者はアウトプットできるのか、どのプラットフォームが合うのかをリサーチしたら“ショートドラマだ!”って」
GOKKO共同代表 田中聡さん
「打席数の多さを意識していて、クリエーターの人たちにとっていいチャンス」
俳優やクリエーターたちの、新たな活躍の場を増やすことができたという縦型ショートドラマ。そんな現場に参加する20代からはこんな声も。
監督を目指す22歳の学生
「今の20代はSNSと共に過ごしてきた人たちなので、これからはテレビよりも縦型ショートドラマが普及していくのかなと思う」
俳優 根井深考さん
「ハリウッドに行きたい。その足がかりに『ごっこ倶楽部』がなるなら、少しでも使ってやろうとずっと思っています」