恐竜王国･福井に恐竜をモチーフにした新たなご当地ヒーローが誕生しました。ヒーローショーを運営するのは愛知県出身の元お笑い芸人。ショーは自分を救ってくれた福井への愛にあふれています。
■福井市内でのショーの様子
「お前は？」
「古代竜士バレミアン」
ダイナミックなアクションで子どもたちを沸かせるヒーロー。その名も…「古代竜士バレミアン」です。モデルは肉食恐竜のフクイラプトル。そのフクイラプトルが白亜紀バレミアン期に生息していたことが、その名の由来となっています。
■心を病んだ過去、救ってくれた福井への恩返し
バレミアンをプロデュースするのは、愛知県出身で福井を拠点に活動するフリータレントの
マサ越前さん(32)。福井に移り住む4年前まで、名古屋でお笑い芸人として11年間活動してい ました。
■マサ越前さん
「元々吉本(興業)で芸人をやっていて、それを解散したのが4年前。その時に心の病を…、うつ病になってしまって。その時に友人に誘ってもらって福井に来て。そしたらどんどん心が豊かになっていって福井に救われた。自分は福井に救ってもらった。だから福井がヒーローなんです」
自分を救ってくれた福井にエンターテインメントを通して笑顔を届けたいー。そんな思いから新たなステージとして選んだのが幼い頃からの憧れだったヒーローショーでした。
ショーを運営する「福井特撮プロジェクト」を立ち上げ、現在9人の仲間とともに活動しています。
■仕事をしながらの準備作業、深夜まで笑顔が絶えない
■マサ越前さん
「地元の笑顔を守りたい。大人たちの未来につなぐ思いとそのバトンを受け取る子どもたちのエネルギー。それが俺の力になる」
台本や音楽は全てマサさんが手掛けています。この日はメンバーの家に集まり、バレミアンのセリフの録音と編集作業に当たりました。作業は仕事終わりの夜8時から深夜まで続きましたが、2人の間には笑顔が絶えません。
■音響･俳優担当の大林さん
「楽しいからね、一緒にやっていると。夢を追っかけているのが結構好きなんで。気も合うし、やっていて楽しいし。手伝わない理由が他にない」
■マサ越前さん
「一回役者として、芸人として、東京とかで華やかな世界を目指した人間が、でも生活のために普通に働かなくちゃいけないって言って社会人をやっているんですけど。それでもやっぱり夢は諦められないよねっていうメンバーが福井特撮プロジェクトにたくさん集まっているんです。一回はちょっとダメかもって諦めた夢をもう一回つかみに行く。それを福井で叶えるというのがロマンがあるなと思ってて。みんなそこだと思いますね」
■大事にしているのは、福井への愛
迎えた初舞台の日。会場となった福井市内のショッピングセンターには子ども連れなど100人が集まりました。
ストーリーはバレミアンの力を利用して福井の良さを破壊しようとする悪の組織との対決。派手なアクションシーンと決めポーズに子どもたちも大興奮です。
しかし、こだわっているのはアクションだけではありません。
■バレミアンのせりふ
「福井には文化がある。歴史がある。自然も食も、伝統だってある。これは長い年月をかけなければ、作り上げることのできない福井の誇りだ！」
福井の人に福井の豊かさを再認識してもらいたい。マサさんが感じた福井への愛がセリフの一つ一つに込められていました。
■ショーでのワンシーン
「バレミアンがピンチだ。俺っちがせーのって言ったら、みんなの”頑張れ”って大きな声で応援して！せーの…」
「がんばれ！！！」
「バレミアン、ダイナーアタック！！！」
■バレミアンのせりふ
「会場のみんな、きょうは応援ありがとう。みんなも何かに立ち向かう時、失敗するのが恐いと思うかもしれない。でも失敗しない人はいないし、嘘をつかなきゃ必ず強くなれる。自分のペースでいい。夢に向かって全力で走ってくれ。あと友達は大事にな」
■初舞台は大成功！ 子どもたちのヒーローに
初の舞台は大成功！ショーの後の記念撮影と握手会には、大勢の子どもたちが詰めかけました。
■子どもと一緒にショーを見た女性
「福井でやることがすごい。もっともっといろんな所で見れると面白いかな」
■マサ越前さん
「みんなが一斉に頑張れって。初めて会ったバレミアンに対して親近感を持って応援してくれるから、だからこそ僕が伝えたいことを子どもたちに伝えられたらいいなと思う」
福井の豊かな自然と温かい人たちに救われ、福井で第二の人生のスタートを切ったマサさん。福井愛にあふれた古代竜士バレミアンが新幹線時代の福井をもっと盛り上げ、県民に元気と笑顔を与えてくれそうです。
■バレミアンの決めせりふ
「福井の為を思って動く人たちのエネルギーを一つに集める。大きな器になる。それが俺の使命なのかもな」
「福井の平和を守る戦士、古代竜士バレミアン！」
（FBC福井放送 2023年8月29日放送）
