シリーズ「こどものミライ」ふるさとの筑後川を知ってほしい 高校生が世界にプレゼン
■高校1年生・田中佑樹さん(15)
「私は、九州北部の久留米市に生まれ育ちました。」
5月21日、インドネシアのバリで開かれた「世界水フォーラム」。流ちょうな英語で説明するのは、九州大学の学生と一緒に初めて参加した、福岡県の高校1年生田中佑樹さん(15)です。
田中さんは久留米市で生まれ育ちました。
■田中さん
「川もあれば山もある。自然に恵まれている環境。」
豊かな自然の中で育った田中さんは、地元を流れる筑後川のことを世界に伝えたいと思いました。50種類以上の魚が、絶滅の危機に瀕している現状を訴えました。
■田中さん
「久留米人として水って何だろうと考えた時に、筑後川が一番親近感があって、人間から川にどうやったら恩返しできるかというのを、世界の人たちに伝えられたら。」
田中さんは、英語教育に力を入れている筑紫野市の中高一貫校に通っています。本番の4日前、現地へ出発する前日にもプレゼンテーションの練習です。
■田中さん
「こっちから一気に全部出てくる。徐々に出てくる方がわかりやすいですよね。」
見ている人がわかりやすいよう、スライドの文字の出し方にもこだわります。
■田中さん
「世界の人たちは筑後川や久留米という場所を知らないと思うので、まず知ってもらって、そこで何が起こっているかを世界の人たちに知ってもらいたい。」
そして迎えた本番。持ち時間5分の英語でのプレゼンテーションが始まりました。
■田中さん
「筑後川のような大きな水源のそばに住むことで多くの利益を得る一方、危険も伴います。筑後川の支流は毎年氾濫し、人々の暮らしに影響を与えています。筑後川には50種類以上の魚が絶滅危惧種となっていて、保護やきれいな生息環境が必要です。」
そして、魚たちを救うプロジェクトの立ち上げを宣言して締めくくりました。
プレゼンテーションを終えて、田中さんは新たなスタートラインに立っています。
■田中さん
「考えている段階だが、将来的にNPOをつくれたら。筑後川に生息している絶滅危惧種を救う組織をつくろうと。水フォーラムに出て終わりではなく、高校生活も大人になってからも水問題について関わっていきたい。」
地元を流れる筑後川の生態系を守り、次世代に残すために。田中さんは今後も、地元のイベントなどで情報発信しながら水環境を守っていくとしています。