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【九州北部豪雨から7年】大量の土砂が流れ込んだ高校は今 緊急の避難所として人々が集まった記憶 「防災学」の授業で伝える 福岡

2024年7月5日 19:39
【九州北部豪雨から7年】大量の土砂が流れ込んだ高校は今 緊急の避難所として人々が集まった記憶 「防災学」の授業で伝える 福岡
九州北部豪雨で被災した高校の今

福岡県内で39人の死者・行方不明者を出した九州北部豪雨の発生から、5日で7年となりました。甚大な被害が出た福岡県朝倉市では、災害の記憶を風化させないよう、地元の高校で防災意識を高める取り組みが行われています。

朝倉市杷木古賀にある朝倉光陽高校。全校生徒300人が通う学び舎は、7年前の九州北部豪雨で被災しました。

2017年7月5日、朝倉市や東峰村などに甚大な被害を出した九州北部豪雨が発生しました。福岡県内で37人が亡くなり、今も2人の行方が分かっていません。

朝倉光陽高校にも大量の土砂が流れ込みました。学校が再開したのは、豪雨からおよそ2週間後でした。大量の土砂が残る中を生徒たちが登校しました。

■朝倉光陽高校・菅原悟士 教諭
「夕方あたりから地域の人たちが学校に避難してきて、公共交通機関のバスも来て、数十人が避難してきた。」

そう話すのは、7年前もこの学校に勤めていた菅原悟士教諭です。

案内された部屋は。

■元木寛人フィールドキャスター
「こちらは当時どういった部屋だった?」
■菅原 教諭
「冷房がきくので、熱中症に弱い高齢者や子どもに使ってもらうようにしていた。」

この高校は食と農業、福祉についての教育も行っていて、おにぎりやパンをつくって避難してきた人たちに振る舞ったり、介護実習ができる教室で、介護職の経験がある教員が高齢者の対応にあたったり、緊急の避難所としての役割を果たしました。

こうした災害の記憶を風化させないようにと、毎年この日には授業を中断して、防災意識を高める取り組みを行っています。

(校内放送)
■朝倉光陽高校・福岡弘道 教諭
「2017年に発生した九州北部豪雨から7年の節目となります。防災の意識をもう一度高め、備えておくように心がけましょう。」
「黙とう。」

当時、崩れた山のほうへ向かって黙とうを捧げました。

そのほか、朝倉光陽高校では、授業のカリキュラムとして週に2コマ、災害について学び、防災意識を高める「防災学」という授業が行われているということです。

■有隅蓮さん(高1)
「(当時)小学3年生なのでどうしていいか分からなかった。僕のほかにも被害に遭っている人がいる。同じ立場として支えられたらと思う。」

■手嶋文恵さん(高1)
「7年たった今でも復興していないところがあるので、自分もこれからできることはやっていきたい。」

7月5日を市の防災の日と定めた朝倉市。林裕二市長は、災害に備え、早め早めの対応を呼びかけます。

■朝倉市・林裕二市長
「冠水が予想されるところは市の職員を事前に配置する。避難所の開設は、体制を常に組織的に取っている。」

今なお、豪雨の爪痕が残る朝倉市。風化させることなく、次世代につなげていくことが命を守る鍵になります。

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