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【ソナエル】ハザードマップの浸水想定は「ベランダにいても溺れる」毎年のように浸水 玄関にブルーシートと土のうを置く家 それぞれの場所に合った避難を 福岡

2024年6月20日 19:41
【ソナエル】ハザードマップの浸水想定は「ベランダにいても溺れる」毎年のように浸水 玄関にブルーシートと土のうを置く家 それぞれの場所に合った避難を 福岡
ハザードマップで自宅を確認すると
大雨災害に備えるシリーズ「ソナエル」です。今回は「水害対策」についてお伝えします。福岡県久留米市ではここ数年、毎年のように水害が起きています。被害を軽減するためのハード整備が進められていますが、命を守るのはそれぞれの場所にあった避難です。

久留米市梅満町の鳥飼校区にある大隈公園です。広いグラウンドの下には。

■財津ひろみアナウンサー
「コンクリートの柱が無数に並んでいます。縦にも横にも水路が広がっています。この広大な空間に大量の雨水を一時的に貯められるということです。」

ここは、16日に完成したばかりの地下調節池です。25mプールおよそ30杯分にあたる1万立方メートルの水を貯めることができます。

■福岡県久留米県土整備事務所・高山精一郎 課長
「住宅地から集まる雨水が流れこんでくる。この調節池に一時的に貯めることで、(近くの)池町川の水位の上昇を抑制できる。」

久留米市には、ほかにも2か所に雨水を貯める施設があるほか、池町川などの護岸が数十センチから1メートルほど、かさ上げされています。

現在は、川の水を筑後川に直接排水できる放水路の整備も進められています。

■高山課長
「平成30(2018)年と令和元(2019)年に大雨による浸水被害を受けた。その被害を契機として、国・県・市が連携して浸水対策に取り組んでいます。令和7(2025)年度の完成を目指しています。」

久留米市では 2018年以降、毎年のように大雨による水害に見舞われてきました。去年は、ことし調節池が完成した鳥飼校区を含む市内のおよそ3100軒で、床上・床下の浸水被害がありました。

鳥飼校区に住む佐藤さんです。去年は、もう少しで床上まで達するほどの浸水でした。

■佐藤瑞也さん
「去年も全部、湖みたいになっていたので、デッキから見ると池に家が立っているような感じだった。」

地域の自主防災会に所属し、防災士でもある佐藤さんは、ブルーシートで玄関を覆い、その上に土のうを置いて家の中への浸水を防ぐ準備をしています。

「2階のベランダでも溺れてしまう」

■佐藤さん
「一番最初にやることは車の避難。水がたまってきたなと思った段階だと、もう車は出られない。床にある物で動かせるものは2階やテーブルの上に置いて、水が引くのを待ちます。」

毎年のように浸水する鳥飼校区。もともと田んぼが広がっていたこの地区は、周囲に比べて地盤が低く、住宅が建ち並ぶようになって地面がアスファルトで覆われるようになりました。

このような地域は、短時間に大雨が降ると下水道や水路、小さな川では排水が追いつかず水があふれ、冠水しやすくなります。

さらに危険なのが、去年、久留米市田主丸の巨瀬川(こせがわ)で発生したような、堤防を越えて水があふれ出る現象です。こうした水害のリスクを確認できるのが、ハザードマップです。

鳥飼校区に住む佐藤さんの家の周辺は、最大5メートル以上、6メートル未満の浸水想定です。その想定を確認してみました。

■財津アナウンサー
「5メートルだとここまで水が来ます。」

■佐藤さん
「ベランダでも溺れてしまう。こうなると垂直避難も無理ですね。早く安全な場所に避難するのが一番いいと思います。」

浸水の深さが最大5メートルを超える濃いピンク色のエリアは、北野町や山川校区など久留米市内の広い範囲にあります。

久留米市防災対策課の湯口さんは、想定される浸水の深さによっては自宅にとどまるのではなく、安全な場所に移動する「水平避難」を呼びかけています。

■久留米市 防災対策課・湯口秀隆さん
「これまで久留米市ではさまざまなハード対策をしていますが、あくまで工事は少しでも被害を軽減させるものだったり、市民が避難する時間を稼ぐものです。河川の外水氾濫や土砂災害、いろんな想定をした上で空振りも恐れず早めに避難することが命を守ることにつながる。早め早めに、まずは水平避難。知人の家、ホテルも含めて検討してもらいたいと思います。最悪の場合が自宅の2階などの垂直避難です。」

ことしも梅雨入りし、いつ起きても不思議でない水害に備えて、まずはハザードマップで自宅周辺のリスクを確認し、リスクが高いエリアに住む人は早めに安全な場所に避難することが大切です。

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