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【ソナエル】津波の情報をより正確に 福工大の研究チームが新レーダーシステムで測定 福岡

2024年1月19日 18:08
【ソナエル】津波の情報をより正確に 福工大の研究チームが新レーダーシステムで測定 福岡
福工大研究チームの新レーダーシステムとは
シリーズでお伝えしている防災企画「ソナエル」、今回は「津波」についてお伝えします。能登半島地震では、石川県能登地方で、津波によって住宅が流される被害などが発生しました。福岡と佐賀には津波注意報が発表され、佐賀県玄海町仮屋では、30センチの津波を観測しました。この30センチの高さの津波でも、注意が必要です。

こちらは、人工的に津波を発生させることができる装置で行われた実験映像です。波が押し寄せると、ロープで固定された人が波に足をすくわれます。

ロープがなければ、そのまま威力に耐えられず一気に押し流されていました。

この実験の波の高さは、佐賀県で観測された津波と同じ30センチほどです。映像からも、相当な力がかかっていることが分かります。

数十センチでも威力のある津波ですが、その津波の高さを正確に測る研究を進めている大学が福岡市にあります。背景には津波による被害を防ぎたいという思いがありました。

福岡市東区にある福岡工業大学には、アンテナのようなものを積んだトラックが止まっていました。トラックのあとをついていくことおよそ30分。到着したのは志賀島です。

荷台からアンテナなどをおろすと、次々と組み立て、10分ほどである装置が完成しました。

■福岡工業大学工学部・近木祐一郎教授
「一番上がレーダー用の送信アンテナとして使っていて、電波が出ています。海表面にあたった電波が反射したものが2つの受信アンテナで受信されて、到達した時間差を測定するというシステム。津波が来ているかどうかというのが判別可能。」

これは、津波を測定する新レーダーシステムです。設置された3つのアンテナのうち、1番上が海に向けて電波を送信するアンテナ、残り2つが、海から反射した電波を受信しています。

アンテナからは1秒間に100回の電波が照射され、波によって反射された電波を独自に計算することで、波の高さを割り出すことができるというシステムです。

これにより、津波の高さや距離などを測定することが可能になるといいます。

研究には、大学生も参加しています。

■福岡工業大学 工学部4年・綾部美怜さん(22)
「津波で逃げ遅れる人とかがでないように、これで正確にちゃんと測って津波による被災を防げたらいいなと思っています。」

元日の能登半島地震では、輪島港で津波の第1波を観測した後データが途絶え、その後の津波の観測ができない状態になりました。

福岡工業大学の研究は総務省の研究開発推進事業の一つに選ばれ、費用の補助を受けながら去年4月から本格的に研究を続けています。

現在は沿岸から150メートルの範囲で、津波を誤差5センチから15センチの精度で測定できる方法にたどり着きました。

■近木教授
「波の高さの分布だとかが、時々刻々わかるようなものをニュースなどで提供できたら、かなり避難などに有効になるんじゃないかという風に思っています。」

近木教授によりますと、来年度には沿岸から3キロ沖合の波の測定を目指し、2026年度以降には、沿岸から30キロの範囲で津波の高さが測定できるようにしたいと話しています。

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