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室見川の春の風物詩「シロウオ漁」3年ぶり再開 漁獲量激減で存続の危機 伝統の風景と味を守るために

2025年2月25日 18:23
室見川の春の風物詩「シロウオ漁」3年ぶり再開 漁獲量激減で存続の危機 伝統の風景と味を守るために

春の訪れを告げる「シロウオ漁」が、福岡市の室見川で始まりました。3年ぶりの漁再開に、地元では期待の声が上がっています。

25日午後2時ごろ、江戸時代から続く春の風物詩「シロウオ漁」が福岡市の室見川で行われていました。

■中村安里アナウンサー
「こちらの室見川には、3年ぶりに『簗(ヤナ)』が復活しました。」

伝統的な仕掛け「簗(ヤナ)」は、河口に向かって「ハ」の字型に設置し、産卵で遡上したシロウオをその先のカゴで捕まえるものです。

カゴを上げると、体長5センチほどのシロウオが入っていました。

■中村アナウンサー
「ことしの量はいかがですか。」
■室見川シロウオ組合・西村正幸さん
「私の感覚から言うと、もう少し入っていないといけないと思うけどね。」

ことし3年ぶりに再開された「シロウオ漁」ですが今、存続の危機に直面しています。

室見川でのシロウオの漁獲量は、2011年に254キロありましたが、ここ数年で激減しました。2022年にはわずか26キロと10分の1にまで落ち込み、2023年からの2年間は休漁を余儀なくされていました。

その主な原因は、河川や護岸の改修により川幅が広がったことで川の流れが変わり、砂が堆積してシロウオの産卵場所がなくなったためとみられています。

そのため休漁の間、地域住民や大学生らが、砂を取り除くなど産卵に適した環境を整備し、漁を再開しました。

室見川のシロウオが名物という割烹料理店は、この日を待ち望んでいました。

■お手軽割烹 三四郎・松本孝さん
「シロウオという魚を食べることができるのは、一つの室見川の特徴でもあるので、シロウオがどんどんあがってきてほしいと思います。」

3年ぶりに戻ってきた春の風物詩「シロウオ漁」。室見川の伝統の味をなくさないために、地元では試行錯誤が続いています。

最終更新日:2025年2月25日 18:23
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