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子どもたちの最後の学習発表会と保護者の「感謝祭」統廃合で名前が変わる小学校の思い出の一日 福岡

2025年3月17日 20:20
子どもたちの最後の学習発表会と保護者の「感謝祭」統廃合で名前が変わる小学校の思い出の一日 福岡

福岡県の筑豊や筑後地方では、子どもの減少などにより学校が再編され、ことしは小中学校あわせて25校が閉校します。校舎は残るものの、「やまと小学校」として学校名が変わる中島小学校を取材しました。

3月15日、最後の学習発表会が開かれました。全校児童146人の中島小学校は18日で、およそ145年の歴史に幕を閉じます。

5年生は中島小学校を卒業した地域の人に話を聞いて、学校の歴史を寸劇で紹介しました。

■5年生
「ここは1952年、昭和27年の大和町立中島小学校。町の人口は約2万人。ノリの本格的養殖が始まって、町がにぎやかになっていったばい。」

■卒業生・中島校区 会長
「寂しいですよ。やっぱり名前が、中島が消えるのは。自分の子どもも出身ですから。」

■卒業生・保護者
「兄弟・父・おじいちゃん・おばあちゃん、みんな中島小学校卒業ですね。」

世代を超えた卒業生たちに見守られ、子どもたちは成長してきました。

■子どもたち
「中島小の歴史をちゃんと伝えようって。そして、いつまでも覚えてもらえるように頑張りました。」
「来年は最高学年だから、いろいろチャレンジしていきたいと思います。」
「先生たちとか学校にお世話になったから悲しい。」

ただ、体育館でのイベントはこれで終わりではありませんでした。保護者による“感謝祭”の準備が進められていました。

■卒業生・松藤雄記さん(41)
「もう1個いるばい。子どもたちが打つまでの距離ばとらやんけん。」

感謝祭を企画したのは、4世代で中島小学校の出身の松藤雄記さんです。

■松藤さん
「この土地で自分たちもお世話になって、学校の先生に育ててもらっているので、それを自分たちが次の世代に返しているだけです。」

会場の一角には、射的や輪投げの縁日コーナーや、卒業生の写真が展示されたコーナーが設けられました。

さらに、体育館の外に登場したのは、地域の伝統芸能として継承してきた「大蛇山(だいじゃやま)」です。

本来、この夏祭りで大蛇を担当できるのは、限られた区域の男性だけです。今回、松藤さんは「中島子ども大蛇山」として中島小学校最後の思い出を作ってもらおうと、女の子も参加できるようにしました。

それぞれが学校の歴史や伝統に思いをはせていました。

一人一人の思い出が詰まった学校。寂しさと期待が入り混じる中、4月からは「やまと小学校」として新たな歴史が始まります。

最終更新日:2025年3月17日 20:20
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