重たい臼を持ち上げ水をザバッ!子ども・二十歳・還暦…それぞれの「臼かぶり」 福岡・大牟田市
水の入った重い臼を持ち上げて水をかぶりながら、後ろに投げ飛ばします。福岡県大牟田市の神社で8日夜、厄よけの伝統行事「臼かぶり」が行われました。
臼かぶりは8日夜、大牟田市の三池本町祇園宮で行われました。気温4℃と新年らしい冷えこみのなか、臼を持ち上げて中の水をかぶり、豪快に放り投げます。
明治元年、80軒を焼く大火事が起きたことをきっかけに、火災よけの祈願として始まったと伝えられています。
トップバッターは、4月に小学生になる立石奏太くんです。子どもたちは臼の代わりに、バケツで水をかぶります。奏太くんは、初挑戦で不安な面持ちです。
■立石奏太くん(6)
「冷たかった。」
Q小学校で頑張りたいことは?
「宿題。ママに褒められるように宿題。」
子どもたちに続くのは、白装束に身を包んだ力自慢たちです。最も重いもので100キロ近くになる臼を、次々と放り投げていきます。
ことし厄年の、占部記者も飛び入り参加させてもらいました。
■占部晃太朗記者
「皆さんの手助けもあり無事、厄を払うことができました。ありがとうございます!」
結婚や成人など、節目を迎えた人がかぶる臼は「祝臼(いわいうす)」とよばれ、仲間から祝福を受けます。去年、二十歳になった緒方俊大さんは、周囲の支えで成長できたことへの感謝を示したいと、祝臼をかぶります。
■二十歳の祝臼・緒方俊大さん(20)
「これからはちょっとは大人っぽく、でもバカするところはバカして。(地元の)おっちゃんたちみたいになりたいので、こんなおっちゃんたちがかっこいいと思っているので、それ目指して頑張ります。とりあえず痩せたいです。痩せて彼女をつくりたいです。」
ことし4月に60歳を迎える坂井孝敏さんは、還暦を祝う臼かぶりを見事成功させました。
■還暦の祝臼・坂井孝敏さん(59)
「毎年している水かぶりだが、還暦という一つの記念ということで、思うところはいろいろありました。いろんなことに挑戦していきたいし、目の前に来ることをすべて楽しんでいきたい。粋な60代を生きたい。」
境内は寒さに負けない熱気に包まれ、参加者は厄を払って新たな年のスタートを切っていました。