もうすぐゾウがやってくる!3歳で初めてゾウを見た飼育員が受け入れ準備「人の気持ちが分かる動物」 福岡市動物園
福岡市動物園ではまもなく、ゾウを迎える予定です。飼育現場では受け入れ準備が進んでいます。
福岡市動物園の空っぽのゾウ舎で、草むしりをする男性がいます。ゾウの飼育担当のリーダー、白濱祥平さん(32)です。
かつて、ここで飼育されていた人気者のゾウ、はな子が天国に旅立って6年半がたちました。それ以来、福岡市動物園にはゾウはいませんでしたが、近く、新たにゾウを迎える予定です。
■福岡市動物園 飼育員・白濱祥平さん(32)
「本来であればもう少し前に来るという話だったので、それがだんだん延びてきて待ち遠しいのは待ち遠しいですね。」
福岡市出身の白濱さんは、佐賀大学の大学院で生態学を学び、愛媛県のとべ動物園で2年半、アフリカゾウを飼育しました。
■白濱さん
「人の気持ちが分かるような動物。人を見分ける動物なので、最初は慣れるまで時間がかかったのが大変でした。喜んでいる時は個体によって違うが、鼻を上げたり鼻を回したりする子もいました。」
白濱さんが、はな子を初めて見たのは3歳の頃でした。大学生になった白濱さんは再び動物園で、はな子の姿を見た時、ゾウは長生きするからこそ人の心に残る動物だと感じたといいます。
はな子を育てたベテラン飼育員は、いまも福岡市動物園にいます。
■福原晋弥さん(49)
「サニー!こっちおいで。おやつあげますね。」
はな子が死ぬまでの15年間、飼育を担当していた福原晋弥さんです。ゾウは誰からも愛される存在だったと福原さんは振り返ります。
■福原さん
「何世代も、例えば自分が子どものころ撮った写真を持ってきて、今は自分の赤ちゃんを連れてきて一緒に写真を撮っている。その後ろに、はな子やおふく(1974~2012年に福岡市動物園にいたメスのアジアゾウ)がいたということもあった。」
福岡市は姉妹都市を結ぶヤンゴンを通じて、ミャンマーからゾウ4頭を受け入れる計画を進めてきました。
そして、去年12月。
■高島市長
「4頭のゾウがやってきます。」
14歳のオス1頭と3歳、12歳、22歳のメス3頭、合わせて4頭のアジアゾウがミャンマーから福岡にやってくることが発表されました。
福岡市動物園は近年、新型コロナウイルスの影響で入園者はピーク時の3割ほど減っています。ゾウの受け入れは、集客力アップにつながると期待されています。
受け入れに向けて、ゾウ舎はリニューアルされました。
■白濱さん
「例えばここに穴が開いているが、あそこの中に餌を隠して、ゾウが鼻を入れて探すことができる。」
新築されたオス用のゾウ舎では、水遊びができるスペースが設けられました。かつて、はな子がいたゾウ舎はメス用で、野生で暮らすように坂を上り下りする姿を見ることができます。
市民もゾウを待ち望んでいます。
■訪れた人
「ゾウさん好き!」
「正門入ってすぐが、がらんとしていたから早く来ないかなという感じ。」
■白濱さん
「最初からゾウ担当はなかなかないので、これから一生できない経験ができると思うとすごくうれしい。よく、ゾウさんいないんですかと お客様から聞かれることが多いので、ゾウを受け入れることが皆さんの心の中に残ってくれたら。」
現地の情勢不安や新型コロナウイルスの影響でゾウの受け入れは延期されていて、ゾウが福岡にやってくる日は決まっていません。
ただ、福岡市によりますと手続きは順調に進んでいて、4頭のゾウはまもなく福岡市動物園にやってくるということです。