【寒波】2016年には大規模な断水被害 水道管の凍結を防ぐには ホームセンターで融雪剤が売れる 福岡
今回の寒波で大雪とともに注意が必要なのが、水道管の凍結です。福岡県内では過去に、水道管の凍結による大規模な断水が発生しています。当時の教訓を踏まえた対策が進められています。
3日、北九州市若松区で子どもたちが収穫していたのは地元の特産品「キャベツ」です。地元の保育園が毎年行っている収穫体験で、子どもたちは収穫したキャベツを自宅に持ち帰り食べるといいます。
■子ども
「楽しかった。」
「でも重い。」
「炒めて食べたい。」
若松のキャベツは今、収穫時期を迎えています。ただ、4日からの寒波の影響で作物が凍る「凍害」の可能性があり、生産者は「価格に影響がでないか心配」と話していました。
4日明け方から九州北部地方に流れ込む数年に一度の寒波。福岡管区気象台によりますと、九州北部地方では6日にかけて平地、山地ともに大雪となる恐れがあります。
早めの備えが求められるなか、北九州市小倉南区では。
■広報車
「今晩から数日にかけて寒さが厳しくなります。水道管や水道メーターの防寒対策をしましょう。」
市の広報車が注意を呼びかけていたのは、水道管の凍結です。水道管は一般的に、気温が氷点下4℃以下になると中の水が凍って膨張することでひびが入り、水漏れが起きやすくなります。
■児玉悠一朗記者
「水道管の凍結や破損で特に気をつけなければならないのが、外側に露出している水道管です。」
北九州市では3日、上下水道局の職員が具体的な対策を実演し、備えを呼びかけました。
■北九州市 上下水道局職員
「ホームセンターで売っている保温チューブを装着すると、凍結を防ぐことができます。」
水道管を保温チューブで覆い、冷たい風から守ることで水道管の凍結を防ぐことができるといいます。
また、地面に設置してある水道メーターも凍結しやすい場所だそうです。濡れないようにビニールに入れたタオルや新聞紙を敷き詰めることで、凍結を防ぐことができます。
もし、凍結してしまった場合は。
■職員
「タオルなどを巻いて、ぬるま湯を根元の方からゆっくりかけると、中の凍結が溶けて水が出るようになります。」
ポイントは、熱湯ではなく40℃~50℃のぬるま湯を使うことと、溶けた水が流れるように蛇口を開けておくことです。
■北九州市 配水管理課・石井秀雄 課長
「凍結すると水が出なくなります。水道管の凍結を溶かすにも水が必要ですので、水をくみ置くこともお願いしたいと思います。」
過去の教訓を生かし対策を進めているのが、福岡県大牟田市に住む人たちです。大牟田市では2016年、寒波の影響で水道管の凍結や破裂が相次ぎ、5万4000世帯で断水するなどの被害が出ました。
相川浩一さんが営む老舗和菓子店では朝起きると突然、水が出なくなっていたといいます。
■相川総本舗・相川浩一 代表
「手洗いができません。ため水で手を洗うわけにはいかないから商売あがったり。ある菓子を売るだけ。」
相川さんは当時の経験を生かし、屋外の水道管に保温チューブを装着したほか、今回の寒波に対してはポリタンクに水をためるなどの対策を進めているといいます。
■相川 代表
「せめて水が凍らなければいいな。」
一方、福岡県大野城市のホームセンターでは、寒波に備え人気が高まっているのが雪を溶かす融雪剤です。
■鬼丸ゆりか記者
「入口を入ってすぐのところに、融雪剤が並んでいます。」
取材している時には在庫がありましたが、その後、売り切れたということです。
このほか、窓とドアの隙間風を防ぐテープや、窓ガラスの結露を防ぐ断熱シートなど、節電ができる寒さ対策グッズが売れ行き好調だといいます。
■ホームセンター グッデイ大野城店・小林慶さん
「寒波に向けて売れ行きは非常にいいです。燃料費や電気代が上がり、なるべく安い値段で部屋の温度を保ちたいと考えているお客さんが今、非常に多くなっています。」
市民生活に大きな影響を及ぼす恐れがある今回の寒波。大雪と氷点下の冷え込みへの備えを早めにしておく必要がありそうです。