「勇気を与え希望になれたら」女性カップルが結婚式 同性婚理解のきっかけに
九州で性的少数者への理解を深めようと、当事者や支援団体らによるイベントが福岡市で開かれました。会場では同性カップルの結婚式が行われ、誰もが自由に結婚できる社会を願いました。
■司会の声「新婦みえさん、新婦かよさんの登場です」
拍手や祝福を受ける2人。この日行われたのは、女性カップルの結婚式です。
11月4日と5日、福岡市で開かれた「九州レインボープライド」。性的少数者、いわゆるLGBTQ+への理解を深めようと2015年から続いています。
今年はより多くの人に同性カップルの実情を知ってもらおうと、会場内で結婚式が行われました。
■新婦 みえさん
「この先10年20年どんな困難があろうとも、2人で協力してひとりで頑張らずに、お互い支え合って乗り越えていこうね。もう家族同然なのに、法的に家族になれないとは悔しいけど、こうして挙式ができたことをうれしく思います」
今、日本の法制度では同性どうしの結婚はできません。全国の自治体で同性カップルをパートナーとして認める宣誓制度を導入するなど、理解は広がりつつありますが、法的な効力はなく、所得税の配偶者控除など結婚することで利用できる社会保障は受けられないのです。
こうした中、全国の裁判所で同性カップルらが結婚の自由を求め国を相手に裁判をおこしています。
九州の原告として裁判をたたかう男性カップルのこうすけさんと、まさひろさん。この日、結婚式の司会をつとめました。男女のカップルと変わらない幸せな姿を知ってほしいと、今回の式を後押ししてきました。
■こうすけさん
「セレモニー中は、2人のことを知らない通りかかった人たちも2人のことをお祝いしていて、すごく幸せな空間だなと感動していました。社会的な承認、社会は確実に変わってきていると思って、うれしい気持ちになりました」
■新婦 みえさん
「たくさんの方にお祝いしていただいて感無量でした。本当にみなさんの前で愛を誓えてよかったなと思います」
■新婦 かよさん
「私たちの結婚式を見ることによって、勇気を与えたり希望になれたりしていたらいいなと思います」
結婚の自由を求めるのは当事者だけではありません。レインボープライドの会場には、国会へのメッセージが様々な人から寄せられていました。
■参加した学生
「(ハガキ読み上げ)結婚は全ての人ができるべきだと思います。早く立法してください。救われる人がたくさんいますよと書きました。来年度から教員になるので、小さな子から差別をなくしたいと思って書いています」
多様な結婚の形を求める動きは九州でも広がりをみせています。