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ウィッグなどに助成金も がん治療での「見た目の変化」苦痛軽減するケア

2024年6月6日 14:18
ウィッグなどに助成金も がん治療での「見た目の変化」苦痛軽減するケア

がん治療に伴う脱毛や手術の痕などの外見の変化を補い患者の苦痛を軽減する「アピアランスケア」。熊本市で今月から、このアピアランスケアへのサポートが始まりました。

熊本市で暮らす田中めぐみさん(31)。3歳・1歳・1歳の3児の母です。
7年前、24歳の時に乳がんと診断されました。

発覚したときはステージ2で、リンパ節にも転移。長かった髪を切り、抗がん剤治療とがんの摘出手術を受けました。

■田中めぐみさん
「(告知当初は)本当に泣き暮らしていました。髪が抜けてしまったり、眉毛とかまつ毛も抜けて、顔はむくんで、見た目の変化はつらいところもあった」

治療しながら働いていた田中さん。社会とつないでくれたのはウィッグだったと言います。

■田中めぐみさん
「普段の生活の一部、私の一部みたいな感じだったんですけどだんだんウィッグを楽しむという感じも出てきておしゃれの一部になった」

がん治療に伴う脱毛や手術の痕などの「見た目の変化」による苦痛を補うアピアランスケア。
熊本市では6月1日から、このアピアランスケアに対する助成が始まりました。

対象となるのはことしの4月1日以降、がん治療に伴い購入したウィッグや装着用のネット、帽子。乳がんの手術にともなう人工乳房やシリコンパッドです。最大2万円を上限に購入費用の2分の1が助成されます。

県内では熊本市のほか6つの自治体がすでに導入しています。
(熊本市、玉東町、益城町、大津町、和水町、南阿蘇村が導入済)

中でも玉東町では、初年度の上限が10万円(ウィッグ+ケア用品が対象)。次の年度も上限3万円が助成される手厚い仕組みです(ケア用品が対象)。
アピアランスケアへの助成にウィッグの購入経験がある田中さんは…

■田中めぐみさん
「経済的にも身体的にも助かるかなと思いますし、できるだけみんなが自分らしさ、普段通りの生活を諦めないで過ごせる人が増えたらいい」

アピアランスケアを提供する側も新たな取り組みを始めています。

■山本紗英子アナ
「カットしてもらっているのは、私の髪ではなく、医療用のウィッグです。しっかり頭にフィットしていて、なじんでいて、普段の美容室に来ているときとほとんど変わらない」

熊本市にあるこの美容室では今年1月から医療用ウィッグの購入とカットができるようになりました。
導入のきっかけとなったのは医療用ウィッグを製造・販売する野中美紀さん(スミキル・東京)の働きかけです。
野中さんは、自らも乳がんを経験。今も部分用ウィッグを使いながら治療を続けています。

■スミキル・野中美紀代表
「私自身が病気になった時に髪が抜けるのが嫌だとか、胸がなくなるのが嫌だと言って、乳がんのことよりもやっぱり見た目で悩んだんですよね」

一般的に10万円~20万円ほどの人毛のウィッグ。野中さんは専用のサロンを作らず、全国25の美容室と提携。店舗を持たないことでコストを抑え、人毛のウィッグをカット代込みで4万円~7万円台に設定。美容師と一緒に自然な見た目も追及しました。

■サロンドヒューレー・黒丸浩光オーナー
「ウィッグがネガティブなイメージがなくなって、いつも(美容室に)行くようなかたちで気軽に来ていただきたい」

■スミキル・野中美紀代表
「見た目髪に関してはウィッグがあるから大丈夫なので、「生きる」っていうところからブレない治療の選択をしていただけるような、そういう関心が高まるといいなと思ってます」

行政からも、民間からも。見た目の変化のつらさをやわらげ自分らしくいられるためのサポートが進んでいます。

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