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【内密出産】2年間で21例 慈恵病院が状況公表 居住地域や理由なども

2023年12月21日 18:19
【内密出産】2年間で21例 慈恵病院が状況公表 居住地域や理由なども
熊本市の慈恵病院で国内初の内密出産が行われて2年がたちました。病院は21日、これまでの2年間で21例の内密出産があったことを公表しました。

■慈恵病院 蓮田健理事長
「可能な限り内密出産の実情を知っていただいて、社会の方に考えていたきたい」

2021年12月、病院にのみ身元を明かし匿名で出産する「内密出産」を国内で初めて実施した熊本市の慈恵病院。21日、これまでの2年間で21例の内密出産があったと公表しました。

【内密出産の事例】
▼年齢別
18歳から19歳が8人、20代が最も多く12人、30代が1人。

▼母親の居住地
九州が最多で7人(熊本県内はなし)、次いで関東の6人。最も遠くは北海道からでした。

▼分娩の状況
帝王切開のケースが2人ありました。通常の出産と違い、家族に手術の同意を取れないため、本人による同意書と病院の相談室長にのみ家族の連絡先を知らせることで行いました。

▼受診の状況
母子ともに健康状態に問題はなかったものの、16人は慈恵病院を訪れるまで医療機関を受診していませんでした。(赤ちゃん1人 経過観察あり)

内密出産に至った理由はほとんどが「母親に知られたくない」、「親に知られたくない」など家族に知られたくないという趣旨でした。病院は内密出産を希望した全員に共通する背景として、親の過干渉や愛着障害など家族関係が厳しい状況をあげています。

■慈恵病院 蓮田真琴相談室長
「21例、みなさんに通じるのは、みなさん必死だということ。赤ちゃんと一緒に死ぬかどうか、瀬戸際まで 悩んで来られる。地元で出産して、名乗って、特別養子縁組ができそうな方にはそれをご提案しています。その選択肢がない方がこちらに来られています」

内密出産で生まれた赤ちゃんはその後、特別養子縁組を前提に手続きが進められます。熊本市の児童相談所によりますと、21人のうち2人が12月1日までに特別養子縁組が成立。手続き中が8人で、他の赤ちゃんも乳児院や里親の元で過ごしています。生んだ後に母親が匿名を撤回し、本人や親族が育てているケースは2人だということです。

病院側は、内密出産した人数について現状で対応できる適切な人数だと話しました。

■慈恵病院 蓮田健理事長
「お母さんのことも大事ですが、赤ちゃんのことを考えると、そんなに1例1例が簡単ではものではないと思う。それだけに慈恵病院以外の施設でも取り組んでもらいたい」

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