【絶滅危惧種】大きく丸い目玉に分厚い唇 ユーモラスな姿のムツゴロウが干潟でダンス
干潮の時に姿を現す有明海のシンボル、“ムツゴロウ”。広大な干潟では今、この時期ならではの愛らしいある行動を見ることができます。
有明海に面する宇土市の港。潮が引いて表れた干潟で、穴からひょっこり顔を出したのはムツゴロウです。大きく丸い目玉に分厚い唇。ハゼの仲間で体長は20センチほどです。陸の上をはって過ごす、変わった習性を持っています。
環境省のレッドリストでは、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い絶滅危惧種(ⅠB類)に分類。国内では、有明海と八代海の一部にしか生息していない貴重な生き物です。
そんなムツゴロウですが、今、驚きの姿を見ることができます。それがこちら…体全体を使ってジャンプしています。5月から7月の産卵期に見せるオスの求愛行動です。カップルが成立すると、仲良く愛の巣へ…。
一方、こんな場面も。
■緒方信昭カメラマン
「あれ、食べられるの?でかすぎるだろう」
野鳥がムツゴロウをくわえています。そのまま飲み込むのかと思いきや…。
■緒方信昭カメラマン
「ちゃんと洗って食べるんだ」
干潟の水たまりにいったんムツゴロウをつけ、まるで洗っているかのようです。そして…。
■緒方信昭カメラマン
「うわ、丸飲みした!」
自然の厳しさの一幕を垣間見た瞬間でした。
潮が満ちてくると、ムツゴロウたちは巣穴に戻っていきます。広大な干潟で繰り広げられる求愛ダンス。この時期ならではの貴重な姿です。