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手作りサウナを出島にオープン「いい意味で何もないところ」悲願の開通から1か月 宮城・女川町

2025年1月25日 14:00
手作りサウナを出島にオープン「いい意味で何もないところ」悲願の開通から1か月 宮城・女川町

宮城県女川町の離島・出島と本土をつなぐ橋が開通して1か月を迎えた。

この橋の開通と同時に、島にオープンしたのが「サウナ」。
島の魅力を発信しようと取り組む、1人の男性の思いをお伝えします。

2年前、出島に移住…手作りのサウナ

「バキッ…バキッ」
斧を振りかざして薪を割るのは出島に住む鹿又陸さんです。

2年前、この出島に移住した鹿又さんは、12月、手作りのサウナをオープンさせました。

鹿又陸さん
「土日なんかはすごい車の数も多くて、サウナのオープンというよりも橋が開通した実感のほうが強い」

島民の悲願「出島大橋」開通

2024年12月19日に開通した出島大橋。

島民にとって長年の悲願でもあったこの橋ができたことで、女川町の中心部までは車で15分ほどで行き来することができるようになりました。

開通から約1か月が経った日、出島で話を聞いてみると…

仙台市から来た釣り人
「橋架かって結構来やすくなったので今日は来てみたんですけど、夜も(釣り)できるので話題のエリアにはなっていますね」
東松島市から来た人
「いや~やっぱり(大橋が開通して)ずいぶん近いっていう感じはするね」

一方、もともとこの島に営みがあった人は…

仕事で島に来ている人
「かなり人は増えた。釣り客とか観光客の人が来たり。一気に増えましたね」
島の住民
「通いやすくなったね。車ですぐ行けるからね。娘とか息子とか車で直接来るから」
「今まで鍵閉めてなかったのが鍵かけなきゃ」

橋の開通によって、少しずつ変化が生まれる出島。

その魅力をさらに多くの人に知ってもらおうと、動き出したのが鹿又さんです。

出島の魅力を知ってもらおうとサウナをオープン

大工として働く幼馴染と一緒に設計から手掛けたサウナを、出島大橋の開通に合わせてオープンさせました。

その名も「JUURI SAUNA(ユーリ サウナ)」。
「JUURI」はフィンランド語で「根っこ」。

島で放置されたスギ林の間伐材を燃料として活用するなど、地域に根ざしたサウナを目指しています。

鹿又陸さん
「現状、けっこう関東圏からも来ていただいていて、コアなサウナファンが多いですね。ここの休憩室もサウナ入って水風呂入って休憩した後に、ここでコミュニケーションをとっていただくようなスペースとして使ってほしいなと」

実家は津波に…インフラで復興に携わりたい

もともと、宮城県塩釜市出身の鹿又さんは、高校2年生の時に東日本大震災を経験しました。
家族は無事でしたが、実家は津波に流されたと言います。

鹿又陸さん
「一瞬にしてインフラがぐちゃぐちゃになるのを見て、インフラっていう部分で復興に携わってみたいみたいな思いが高校生ながらにふわっとあって」

一度は東京の大学に出て、土木を学んだ鹿又さん。
その後、趣味のサウナを自分で作れるところはないかと探していたところ、出島の存在を知って人生が動き出しました。

鹿又陸さん
「自分が出島に惹かれたところって、いい意味で何もないところ。自然を感じながらリラックスできるという点でサウナと相性が良いと考えています」

自己資金のほか、自治体の補助金やクラウドファンディングを活用して資金を調達した鹿又さん。
今年中にはサウナの隣に民宿もオープンさせる予定です。

鹿又陸さん
「出島自体、宮城県内の方含めて全然まだ知らない人がたくさんいると思うので、自分たちのサウナを通して出島を知ってもらえるきっかけになったらうれしいなと」

最終更新日:2025年1月25日 14:00
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