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【特集】戦後最大規模の人権侵害「旧優生保護法」私たちが教訓にすべきことは?【2024年振り返り】

2024年12月31日 10:00
【特集】戦後最大規模の人権侵害「旧優生保護法」私たちが教訓にすべきことは?【2024年振り返り】

優生手術被害者とともに歩むみやぎの会の横川ひかりさん。

Qどうしてこの会で活動しようと思った?
横川ひかりさん(優生手術被害者とともに歩むみやぎの会)
「私は過去の問題じゃなくて、かわいそうな障害のある人の問題という訳でもなくて、現代の自分の生きている社会の課題と思ってやってきました」

“いのちを分けない社会へ”

会の合言葉は“いのちを分けない社会へ”

首相官邸前での活動(2023年11月)
「いのちを分けない社会を作ろう 優生保護法解決しよう」

横川さんは、強制不妊手術を受けさせられたとして国に謝罪と賠償を求める被害者を支援してきた。

戦後最大規模の人権侵害

旧優生保護法は障害のある子どもを“不良”とみなし、強制不妊手術を行うことを認めた法律。

被害者は、全国で約2万5000人、宮城県は約1400人と、北海道(約2600人)に次いで全国で2番目に多かったことが分っている。

今年7月、最高裁大法廷は旧優生保護法は「差別的取扱い」などと憲法違反と判断し、被害者救済の扉を開いた。

被害者 飯塚淳子さん(仮名・70代)
「障害者差別のない社会であってほしい。障害者は不良の子孫ってされて。不良ではないと思います」

原告の勝訴に涙する横川さんの姿があった。

横川ひかりさん(優生手術被害者とともに歩むみやぎの会)
「よかった」

戦後最大規模の人権侵害。
その解決は令和の時代まで見過ごされてきた。

私たちが教訓とすべきことは?

いま私たちが教訓とすべきことは何か?
横川さんは、日頃から感じていることがあるという。

横川ひかりさん
「障害のある人と一緒に外出して、 本人じゃなくて私にしか話さない人ってたくさんいる。優生保護法は本人の同意なしに(手術が)できるものだったが、意志を持っている人と扱わない。本人のことなのに、別の人に聞いちゃうことが出来る社会なのはまだ変わっていない」

違憲判決を受け、岸田元総理は「政府の責任は極めて重大」と述べ被害者に謝罪をした。

そして今年10月、横川さんが支え続けてきた県内の原告全員の和解が成立した。

支援団体の人たちが目指すのは「いのちを分けない社会」。
そして障害者の人たちが「いるだけでいいい社会」だ。

横川ひかりさん
「お疲れ様でした。よかったね」

横川ひかりさん
「難しいけど、”いるだけでいい”って思える社会にしたい。あなたもわたしもまずはいるだけでいい。それはどういう状況でも。高齢になっても、障害があっても、病気でも、いるだけでまずはいい。そういう人が個人として尊重されるのが求めている社会だし、それが命を分けないっていうことなんじゃないか」

長年見過ごされてきた人権侵害を、過去の出来事で終わらせないために…
私たちはこれから先何をすべきか、考え続けることが必要だ。

最終更新日:2024年12月31日 10:00
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