【特集】その先端には何がある?芦崎湾の地形の謎を追え!小学生の探検隊 むつ市
むつ市の陸奥湾に不思議な地形があるのをご存じでしょうか?ふだんは入ることができない場所に隠された秘密とそこでしか見られない奇妙な風景を地元の小学生たちが調査しました。
むつ市の釜臥山山頂で、市街地から陸奥湾沿いに眺めていくと…。
陸地から海に向かって鳥のくちばしのように細長く伸びている地形があります。「芦崎」です。どうしてこんな地形ができたのか、先端にはいったい何があるのか。海上自衛隊の管理地のためふだんは入ることができない「芦崎」。今月6日地元の小学生たち20人による「芦崎探検隊」が調査に向かいました。
自衛隊の船で芦崎中央付近の桟橋に降り立った探検隊一行。歩いて先端をめざします。芦崎は下北ジオパークの見どころの1つ。調査にはジオパークガイドも同行しました。
森のなかを歩いて600メートルほど、視界が開けて釜臥山が見えてきました。ふだんとは違う陸奥湾越しの山の眺めです。砂浜であるものを発見しました。小さく丸められた無数の砂のだんご。奇妙な光景です。近くには数ミリほどの穴、そして小さいカニが歩いています。
★ジオパークガイド ヘンリー・レイチェルさん
「これは『コメツキガニ』というカニです とっても小さいカニです1センチほどのカニです」
「実はとっても珍しいカニです青森県のなかでここだけに住んでいます」
「この穴から出たら砂を口に入れて砂のなかのとても小さいものプランクトンとかその小さなものを食べます」
コメツキガニは砂に混ざったプランクトンなどを食べたあと、口の中で砂だけを分けてその塊をハサミで切り取って捨てるといいます。なぞの砂だんごの正体は食事の跡でした。さらに歩いて桟橋から2キロのほどの先端に到着しました。
芦崎は釜臥山から流れ出た土砂が海流で運ばれてできた「砂嘴」という地形です。土砂と水の流れの条件が適した場所でしか見られません。
★むつ市ジオパーク推進員 朝日啓泰さん
「砂というのは簡単に積もるし簡単に削れていっちゃいます そうすると芦崎の形って今も変わっています この芦崎の形を現状を守るということで芦崎の先端に岩がある理由となっています」
およそ1万1,700年前から少しずつ形づくられてきたという不思議な地形。そしてそこでしか見られない多様な自然があります。
★芦崎探検隊の子ども
「船にも乗ったし海でカニをつかんだりしたからもっと芦崎を体験してみたいと思いました」
「芦崎の先端に岩があるということが一番勉強になりました また来たら今度はきょうあんまり見られなかったところもあるのでそこまでしっかり見たいと思います」
なにげない身近な景色の秘密を知った子どもたち。探検はふるさとへの愛着を育むきっかけになったのかもしれません。