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「大変だったがそれも青春」コロナ禍でスタートした学校生活…卒業迎えた高校生たちの思い

2024年3月4日 18:30
「大変だったがそれも青春」コロナ禍でスタートした学校生活…卒業迎えた高校生たちの思い
愛媛県内で約1万人が門出

3月1日、県内のほとんどの高校で卒業式が行われました。コロナ禍で高校生活のスタートを切った今年の卒業生。それぞれの思いを胸に、仲間とともに迎えた喜びの1日を取材しました。

普通科や調理科など4学科194人が門出!松山学院高校でそれぞれが進む道は

松山市北久米町の松山学院高校では、普通科や調理科など4つの学科から194人が門出の日を迎えました。

卒業生総代 笹園翼さん:
「幾度となくもどかしい思いに囚われました。それでも共に歩んだ仲間がいたからこそ制約のある日々を彩りのあるものにできたと思う」

高校生活のスタートをコロナによる制限の中で切った194人の卒業生。

卒業生総代 笹園翼さん:
「規制が緩和された高校生活はまさに私たちが思い描いていたものであり、高校生活の最後にしてそんな当たり前の日々を友人たちと過ごせたことが何よりも幸せでした」

高校最後の一大行事を制限のない中で迎えた卒業生。

卒業生 ラグビー部:
「悲しい反面、うれしい。親とか先生に感謝しきれない。ラグビーは絶対接触スポーツなので、緩和されていくうちに仲間との支え合いで苦しいことも乗り越えれて、最後の試合もしっかりやりきれて自分的には良かった」

卒業生 建築会社に内定:
「お世話になった街を発展させたいという気持ちで。人に信頼される仕事ができる建築士になりたい」

卒業生 看護師目指し進学:
「高校で学んだことも活かしながら周りの方に感謝を忘れずに自分の力を発揮できるように頑張る」

その中には、自転車競技のアジア大会で優勝、世界大会で3位になるなどの輝かしい成績を残した、水谷彩奈さんの姿も。卒業後は大学に進学し、オリンピック出場を目指すという水谷さん。

卒業生 水谷彩奈さん:
「これからオリンピックとか世界選手権で優勝することを目標に、自分の走りを見た誰かが感動してくれるような走りができる選手になりたい」

式を終えた卒業生。3年間共に過ごした仲間たちとの最後のホームルームに臨みます。

卒業生:「松田先生との約束を果たすために頑張るので応援よろしくお願いします」
先生:「約束って何?」
卒業生:「店を出して松田先生に来てもらう」
先生:「おお!」
同級生:「松山に美味しい町中華作ってくれ!」

卒業と同時に調理師免許の取得が可能になる調理科の生徒たち。

チャンネル4では、去年10月の文化祭で、コース料理の出来栄えを競う生徒の様子を取材していました。

仙波大和さん:
「文化祭で金賞いただいたのが一番この3年間で嬉しかった。ちゃんとした実習ができなかった時期もあって大変だったと思うがそれも青春かな」

寿司職人の父を見て、料理人を目指したという仙波さん。春からは専門学校に進み、料理の腕を磨きます。

仙波さん:
「料理ってやっぱりいいんだなって思ってます。お客さんに笑ってもらえるのが第一でその中で自分なりに楽しい料理生活というか人生を歩んでいきたい」

医療施設の給食などを手掛ける企業に就職する田中里菜さん。母親への感謝の気持ちを語ってくれました。

田中さん:
「18年間愛情込めて育ててくれた大好きなママなので、病院でももちろんごはん作るが、私もお父さんお母さんに夜ごはんとか朝ごはんとかも作ってあげれたらいいな」

それぞれの思いを胸に。194人の若者は、新たなステージへと旅立ちます。

在校生から卒業生へのプレゼントも今年が最後…生徒募集停止の宇和高三瓶分校

変わってこちらは生徒数の減少により、今年度から生徒の募集が停止となった、西予市の宇和高校三瓶分校です。

これから式に臨む卒業生たちの胸元を飾るのは…西予市産のヒノキを「かんな」で削って作った、通称「カンナフラワーコサージュ」です。

2年生女子:
「お世話になった先輩に、素敵なコサージュを贈れたらなと」

かんなの薄削りを競う大会で日本一に輝いたことのある地元の大工、繁木俊忠さん指導のもと、毎年在校生が卒業生へのプレゼントとして手作りしてきました。

今の2年生が三瓶分校の最後の在校生。在校生から卒業生へのこの伝統も今年が最後となります。

2年生男子:
「後輩がないんでどうしようかなという思いではあるんですけど、正直なこと言うと(来年は)付けて卒業は迎えたいです」

母校最後の後輩たちの温かい気持ちと故郷の香りを胸に16人の卒業生が旅立ちます。

卒業生 松山大へ進学:
「今までの伝統とか先輩たちが残してきたものに恥じないような形で卒業できたらと思います」

卒業生 福岡に進学:
「再来年度から自分の母校がなくなるのもさびしいんですけど、最終的にはまた地元に帰って恩返しがしたいなと考えてます」

「これからも魚を愛していきたい」長浜高校 初の寮生…水族館部の3年間

“長高水族館”でおなじみ、県立長浜高校です。

卒業生代表 重松そらさん:
「入学してすぐにつきつけられた 分校化の危機。過去最少の人数となり、教室1つに収まった私たち自身が、痛いほど学校存続の危うさを感じました」

今年度の卒業生は24人。そのうち11人が水族館部に所属していました。

卒業生の橋本海斗さんと、島崎優希さん。ふたりも、水族館部に惹かれて長高の門をたたいた生徒です。

3年前の春、高知県宿毛市からやってきた2人、長浜高校初めての寮生として、寮生活が始まりました。

島崎さん:
「もともと小さい頃からの夢が『水族館の飼育員になりたい』っていうのがあって」
橋本さん:
「ここならほかの高校よりかも魚のことに詳しくなれるし」

入学から2か月後には、長高水族館の一般公開で初々しい接客デビュー!新型コロナの感染拡大で一般公開が中止になっても、長高水族館をライブ配信するなど魚たちへの愛を発信し続けました。

島崎くんは、水族館の目玉のひとつ、ハマチショーのトレーナーとして。橋本くんは、みんなを引っ張る部長として水族館部を盛り上げました。

3年生になると…部員数は、過去最多の69人に。入学以来初めて、マスクなしのお客さんの笑顔も見えるようになりました。

在校生一同:
「いらっしゃいませ。本日は、ご卒業誠におめでとうござます」

式のあと、卒業生にとって最後の、水族館部の部会です。

島崎さん:
「成長したこと…ここ来る前、中学校とか無口っていうくらい話してなかったんですけど、ここに来て、ハマチショーとか接客とかをして、人と話すのが楽しくなった。話す力がついていったのが、一番の成長だと思います」

下山留奈さん:
「先生に物申す…怒った時と優しい時の差が激しい…」
水族館部副顧問 内山太先生:
「人としての幅が広いってことね(笑)」

坂田羽瑠さん:
「ニュース見てたら、受験生が63人ですごく驚いた。ここから気を引き締めて、新しく入ってくる後輩たちにいっぱい教えてあげてください」

大好きな仲間に、そして大好きな海の生き物たちに囲まれて過ごした3年間―

島崎さん:
「自分なりに寮生として楽しめた長高も、長浜自体も人が温かいので、来たい人はぜひ来てほしいです。松山大学経済学部で経済について学びます。魚が好きなのはずっとあるのでこれからも魚を愛していきたい」

橋本さん:
「今生きてる中で一番楽しかったと思います。岡山理科大学専門学校のアクアリウム学科というところに進みます。資格の勉強がんばりたい将来的には水族館関係とかまた愛媛か高知が、四国に来たいとは思う」

高校3年生の皆さん、卒業、おめでとうございます!

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