2024年に話題となった出来事や関心を集めたニュースをお伝えしています。
年末恒例の“ことしの漢字”は「金」と発表されました。
「金」といえばインドでことし夏に開かれた世界遺産委員会で「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録が決定。悲願が実り、県内はお祝いムードに包まれました。

かつての坑道をめぐる「史跡佐渡金山」では世界遺産効果でこの夏、来場者数が去年を大きく上回りました。

その佐渡出身で島育ちをアピールする動画クリエイターが子どもたちの間で人気を集めています。
この夏は夏休みの子どもたちを佐渡に招いてのバスツアーが行われるなど、佐渡に熱い視線が向けられました。
「金」で盛り上がった佐渡の夏を振り返ります。

◆「アイ・ラブ・佐渡」

晴れ渡ったことし８月。
佐渡汽船両津港には「アイ・ラブ・佐渡」と書かれたＴシャツを着る子どもたちの姿が……

神奈川県から来た柴山一誠くん。
憧れの「けえさん」に会いに佐渡にやってきました。

〈柴山　一誠くん〉
「（けえさんの）叫ぶ声とかが面白い。“さーどーがーしーまっ”ていう」

〈母・海南江さん〉
「（子どもが）動画を見ていて佐渡の魅力を知って行ってみたいという気持ちにもなって」

◆“けえ【島育ち】”とは

佐渡出身の動画クリエイター「けえ【島育ち】」さん。

佐渡のあるあるなどをコミカルに発信する動画が人気を呼びユーチューブのチャンネル登録者数は８０万人以上。
いま全国の子どもたちを中心に旋風を巻き起こしています。

この日……夏休みの子どもたちの前にけえさんが姿を見せました。

本人が登場するとすぐに撮影会が始まるほどの人気ぶり。
けえさんのふるさと佐渡を巡る１泊２日のバスツアーに全国から５５人の親子が集まりました。

〈子ども〉
「さーどーがーしーま、サドガシマ」

神奈川県から来た一誠くん……けえさんと会うのは２回目。

〈けえ【島育ち】〉さん
「久しぶり！前のやつ着てきてくれた。ありがとう！！」

最高の夏休みへ……バスに乗り込み出発です！

◆たらい舟を体験

〈けえ【島育ち】〉さん
「お待ちかねの”たーらーい舟”に行きます」

一行がやってきたのは、佐渡の南部にある小木地区。

◆たらい船

古くからサザエなどの磯ねぎ漁に使われていた「たらい舟」。
人気の観光スポットです。
けえさんの動画にも数多く登場し子どもたちにとっては、おなじみとなっています。

〈けえ【島育ち】〉さん
「楽しい人？（手をあげて！）」

〈子ども〉
「はーい！もうすでに楽しいです！！」

〈けえ【島育ち】〉さん
「良かった！」

〈たらい舟の船頭〉
「来られる子どもたちの８割９割くらいけえさんファンの方という感じで。すごいありがたいですね」

Ｑ観光業にけえさん貢献している？
「めちゃくちゃ貢献しているんじゃないですかね、大スターって感じで」

◆２００２年生まれ「人を笑わせるのが大好き」

子どものころから人を笑わせるのが大好きだったといいます。

動画の配信を始めておよそ２年半……
佐渡金山やトキはもちろん、それ以外の佐渡の魅力も知ってほしい。

そんな思いで活動を続けているといいます。

〈けえ【島育ち】〉さん
「佐渡が好きなので面白おかしく子どもたちに見せる、どう佐渡の伝統をエンタメっぽく見せて子どもたちに面白く興味持ってもらうかという視点で動画のコンセプトを考えています」

◆ディープな佐渡も案内

子どもたちは、けえさんの案内でディープな佐渡にも……

〈けえさん【島育ち】〉さん
「インスタ映えスポットなんだよここ。ちょっと時間が早いんだけど夕暮れ時になるとすごいきれいなんだよ、反射するの！人が」

夕暮れ時になると幻想的な景色が眺められる「万畳敷」。
水面の反射も合わせてつい写真を撮りたくなる穴場スポットです。

けえさんだからこそ伝えられる佐渡の姿がそこにはありました。

◆子どもたちは「いごねり」体験

佐渡ツアー2日目。
子どもたちがやってきたのは観光地ではなく、調理室。佐渡の郷土料理「いごねり」を作るというのです。

〈けえ【島育ち】〉さん
「ずっとネタでこすりまくっていたら“いごねり屋さんに呼び出された”みたいな動画を撮らせていただいたりとかずっと叫んでいますね、“いごねり”って」

”いごねり”を動画のネタにしてきたけえさん。
ふるさとの味に直接ふれてもらおうとツアーの行程に入れました。

◆郷土料理の「いごねり」

いごねりは海藻のいご草を煮詰めて作ります。
火にかけると次第に出てくるとろみ……完全に溶ければバットに広げて冷まします。
固まったものを食べやすい大きさに切れば完成です。

いごねりを動画で見てきた子どもたち。
でも、口にするのは初めてです。

〈子ども〉
「めちゃくちゃおいしかったです。そんなにいごねり本体に味がなくて食感がおいしくて」

神奈川県から参加した一誠くんは……

Ｑ味どう？
〈一誠くん〉
「うまい。家でも食べたい、いつでも食べたい」
Ｑ…だそうですが
〈母・海南江さん〉
「自分で全部やるなら　買って帰ります」

◆島民も驚く影響力

けえさんの影響力に島の人たちも驚いています。

〈地元の人・浜本ます子さん〉
「全然知らないところの人が佐渡の地元の特産のいごねりを食べてもらっておいしいって　感じてもらえればすごくいいと思います」

◆２日間にわたり佐渡を満喫

その後も世界遺産への登録が決まった「佐渡金山」など２日間にわたって佐渡を回った子どもたち。
最後は、けえさんのＴシャツにメッセージを書いてお別れです。
子どもたちの笑顔を見てけえさん自身も元気をもらっていました。

〈けえ【島育ち】〉さん
「生まれ育った地で素晴らしい場所で感謝もしているので僕なりの恩返しができたら良いなという思いでやっているんですけど。佐渡をこんなにも愛してくれる県外の方がというのはなかなかない光景だと思うので嬉しいですね」

〈けえ【島育ち】〉さん
これからも全国の子どもたちに佐渡の面白さを届けていきます 。


（2024年8月「夕方ワイド新潟一番」放送より抜粋　※内容は取材当時のもの）