【解説】酒豪の2人で“爆弾酒”も…日韓「オムライス」外交の裏側
首脳会談目的の訪日では12年ぶりとなった韓国・尹大統領と、岸田首相との首脳会談。両首脳は、国交正常化にむけて努力することで一致。首脳が相互訪問する、シャトル外交の再開などでも合意しました。
そんな中、注目されたのは夜の「2次会」です。両首脳は1次会で都内の和食店で「すき焼き」を食べたあと、2次会では洋食店で「オムライス」を食べたといいます。外国首脳トップとの夕食会での“はしご”は「異例」(外務省関係者)という中、その舞台裏が日韓両政府関係者の取材で徐々に明らかになってきました。「楽しいお酒」だったと語った岸田首相。尹大統領と飲んだのはどんなお酒だったのでしょうか。
“オムライス”外交の舞台となったのは、創業明治28年の老舗洋食店。
両首脳が訪れる当日、記者も昼食を食べに“取材”で訪れると、午前11時30分の時点で店前には長蛇の列が。待ち時間は40分でした。この店のオムライスは、最近主流の“たまごふわトロ”スタイルというより、表面はムラがなく焼かれているタイプ。挽肉やマッシュルームの素材のおいしさが引き立つケチャップライスが特長のオムライスだといいます。
この店は、尹大統領が過去に日本に訪れた時に食べた“懐かしの味”で、日本サイドがチョイスした「岸田流のおもてなし」でした。
■“異例の2次会”…オムライスにハヤシライス、カツレツも
2次会は「かなり、盛り上がった」(政府関係者)そうです。“1次会”で「すき焼き」を食べた後でしたが、“2次会”ではオムライスに加えてカツレツ、ハヤシライスも振るまわれたといいます。
そして、オムライス以外に尹大統領が楽しみにしていたのが日本のお酒だといいます。この日、大統領の“お気に入り”ヱビスビールもテーブルに並びました。
■“オムライス外交”…「酒豪」の2人で“爆弾酒”
岸田総理と尹大統領の共通項の1つ、それは「酒豪」(政府関係者)だということ。2人がビール以外に飲んだのは、韓国のお酒の席では“お馴染み”の「爆弾酒」でした(日韓外交筋)。焼酎を、ビールで割った「爆弾酒」を何杯も飲み交わしたことで、2人の関係は一気に近づいた(政府関係者)といいます。
「戦後最悪」といわれた、日韓関係。
韓国国内からは、批判の声が早くも出る中、今回の“岸田流おもてなし”で関係改善にむけた「スタートラインに立った」(外務省関係者)と言えます。爆弾酒まで飛び出した“オムライス外交”で、「信頼関係の土台ができた」(外務省関係者)という中、今後は両首脳には具体的な成果が求められます。