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名護市長選で基地反対派勝利 今後の展望は

2010年1月25日 3:15
名護市長選で基地反対派勝利 今後の展望は

 アメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)の移設問題を争点とした沖縄・名護市の市長選挙は24日、投開票が行われ、名護市辺野古への基地受け入れに反対する新人・稲嶺進氏(64)が、基地受け入れ容認の現職・島袋吉和氏(63)を破り、当選した。社会部・田頭祥記者が今後の展望について解説。

 今回、反対派の市長が当選したことは、地元の同意を得るという意味で辺野古移設の現行案は困難になったといえる。しかし、鳩山政権にとって、辺野古という選択肢は完全に消えてはいない。県が埋め立て許可を出せば、国は建設を始めることが法的にできるため、稲嶺氏が反対しても、基地建設を完全に断念させることはできない。

 また、島袋氏とともに辺野古への基地受け入れを容認してきた仲井真弘多県知事の動向もポイントとなる。「県内移設もやむを得ない」というスタンスだったが、今回の選挙結果を受け、県民から明確に県内移設に反対するよう迫られることが予想される。

 いずれにしても、稲嶺新市長は、基地問題で長年にわたって二分された市民の融和に努めつつ、今回の結果を受けた鳩山政権の出方を見守ることになる。