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今月中の決着は困難、鳩山首相が初めて示す

2010年5月13日 16:16
今月中の決着は困難、鳩山首相が初めて示す

 アメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)の移設問題をめぐり、鳩山首相は13日朝、今月末までに「すべて果たせるかどうか」と述べ、これまで明言してきた今月中の決着は困難との認識を初めて示した。

 鳩山首相は「当然、(今月末までに)すべてというものが果たせるかどうかということですから、当然、6月以降になっても、また詰める必要があるところがあれば、当然、努力はいたします」と述べた。

 政府は、平野官房長官が12日夜に基地機能の一部を移転する方針の鹿児島・徳之島の町議と会談するなど調整を進めているが、反発は根強く、ある政府高官は「今月末の決着は無理な状況」と話している。また、浅瀬に新たな滑走路を建設する方針の沖縄・名護市も断固拒否の姿勢を示しているほか、連立を組む社民党も沖縄県内への移設に反対姿勢を崩していない。

 こうした手詰まり状況の中、周辺が最後まで努力する姿勢を見せるとしてきた鳩山首相も今月末決着の断念に追い込まれた形だが、野党側からは引責辞任を求める声が上がるのは必至。

 鳩山首相は、今月末の期限について「必ず成果を挙げるので政府を信頼してほしい」と言い切っていたほか、アメリカ・オバマ大統領にも直接、「今月末までに責任を持つ」と話していた。首相の約束の重みがあらためて問われることになる。