菅首相は９日、訪問先の長崎市で会見し、核抑止力について「将来は核をなくしていきたいが、現在は考えざるを得ない」と理解を求めた。

　長崎市内で行われた被爆者団体と菅首相との面会では、先週の広島市での「核抑止力は必要だ」との発言に対して、「核廃絶の誓いに冷や水を浴びせるような発言だ」などと批判の声が上がった。これに対して、菅首相は記者会見で、「残念ながら、現在は世界から核がなくなる状況は実現していない。将来はなくしていきたいが、現在はそういうこと（核抑止力）を考えざるを得ない」と述べ、核抑止力の必要性にあらためて理解を求めた。

　また、非核三原則の法制化については「経緯を含め、私なりに検討した上で判断したい」と述べるにとどまった。