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菅首相、今年の課題は 政治部記者が報告

2011年1月1日 19:23
菅首相、今年の課題は 政治部記者が報告

 支持率が下げ止まらない菅内閣。一方、来年度予算案の審議や雇用対策など、実際に結果を出さねばならない政策課題は山積している。今年、菅首相に突きつけられている課題は何なのか。政治部・小栗泉記者が報告する。

 菅首相に今年求められているのは、政局を一刻も早く落ち着かせ、政治の閉塞(へいそく)状況を打破する2つの「決断」だ。

 一つ目の「決断」は、菅政権の体制立て直し。民主党・小沢元代表は政治倫理審査会へ出席する意向を示したが、条件として「野党が国会審議に応じる」ことを掲げている。小沢氏は、自らの問題と野党側が強く求めている仙谷官房長官の辞任をセットにしたい考えで、菅首相の判断が求められる。

 党内対立が長引けば、菅首相の足元が揺らぐ。菅首相は「通常国会が始まるまでに、いかに強力な体制を作るかということは、これからもしっかり考えていかなければと思っています」と話している。仙谷官房長官を辞任させるのか、続投させるのか。それとも条件を突きつける小沢氏に離党を迫るのか。首相の「決断」が、通常国会の行方を左右する。

 もう一つは、「ねじれ国会」の打開に向けた「決断」。菅首相は、たちあがれ日本に連立政権への参加を打診したものの、結局ご破算となった。しかし、野党側の協力なしには通常国会は乗り切れない。菅首相は、年明けに消費税率引き上げの方向性を具体的に打ち出す考え。財政再建や消費税の見直しといった「待ったなし」の課題に、例えば「救国内閣」のような形で期間限定の連立を模索して取り組むという捨て身の覚悟が、菅首相にあるのかどうか問われている。

 小沢氏への対応や、仙谷官房長官の処遇といった菅政権の立て直し、そして、野党との協力体制-菅首相がこの連立方程式を解かない限り、国民の政権への信頼感を取り戻すことはできない。