国の原子力災害対策本部は２４日、福島第一原発事故を受け、環境中の放射線量について、２年後には４割減少するとの新たな試算方法を原子力安全委員会に報告した。

　原子力災害対策本部が示した「将来の空間線量率を予測する考え方」によると、半減期が３０年と長い放射性セシウム１３７について、雨や風などによって薄まる効果を考慮すると、実質的な半減期は約１８年半になるという。

　この考え方に基づいて環境中の放射線量を試算すると、原発周辺の田畑などでは除染などを行わない場合でも、２年後には放射線量は今より４割減少する見込みだという。この報告を受けた原子力安全委員会は、「試算は妥当」とした上で、実測値と比較しながら適切に予測を見直すべきだと助言した。

　政府は今後、この試算に基づいて放射能の除染計画などを立てる方針。