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消費税めぐり大揺れ…離党表明も

2011年12月27日 19:46
消費税めぐり大揺れ…離党表明も

 消費税率の引き上げをめぐり民主党が大きく揺れています。強気の構えを崩さない野田首相ですが、民主党内の増税反対論は全く収まっておらず、政府・与党の一致した考えを年内にとりまとめるのは困難な情勢となっています。

 27日、民主党・斎藤恭紀議員は「やはりデフレ脱却なしで増税しようとしていること、TPPを推進しているということ、マニフェストを次から次へと破棄しているということ、これに対して私はやはり国民との約束を守るために、決起しなければいけない、ということで決意しました。離党ということを党に出そうと思います」として、突然、離党を表明しました。民主党では政府が八ッ場ダムの建設再開を決めた事を受け週末、中島政希議員が離党届を提出したばかり。それに対して輿石幹事長は27日、会見で「党内の結束が乱れているといえば、乱れているかもしれない」と語りました。

 民主党内で、いま、何が起きているのでしょうか。野田首相は、消費税率をいつどのくらい引き上げるのか、年内をメドに素案を作ると繰り返してきました。16日の会見では「このスケジュール感はいささかの揺るぎなくやらなければいけない」と語っています。

 しかし、そこに立ちはだかるのが小沢元代表。21日、100人以上の国会議員による新しい勉強会を立ち上げました。そのなかで小沢元代表は「何のための政権交代か、民主党政権とは何なのか」と語りました。消費税増税を目指す野田首相の姿勢をけん制する狙いがあるとみられます。さらにその前日の20日には小沢氏の側近議員らが消費税増税に反対する150名ほどの署名を集め首相官邸へと提出しました。また、民主党・鈴木克昌筆頭副幹事長は「消費税を永代上げなくて良いとは全く言っていない。議論にあたってやるべきことをやってからでないと」と語りました。

 さらに鳩山元首相も18日「今ここで、不退転でなせる話なのか。あまりにも財務省に偏った発想になりすぎているのではないか」と語りました。消費税増税より前にまずは国会議員がムダをなくすべきだ、と主張する彼らですが、では政権交代からの2年間、与党の責任ある立場としてどういう成果をあげてきたのか、という疑問は残ります。

 一方で、執行部からは25日、具体的な消費税率についての発言も出ました。前原政調会長は「さらに消費税率が上がる可能性というのは、私はあると思います」「10%に収まるかというと、なかなか厳しい状況にあるんじゃないかと」と語りました。将来的には消費税率が10%を超える可能性があると話したのです。

 消費税増税をめぐり民主党内で深まる亀裂。そして27日、インドに出発する直前の野田首相のもとに政府・民主党の幹部が集まりました。そこで下された決断はどんなものだったのか?野田首相は「具体的に税率であるとか、時期であるとかも含めて党の意見集約を年内にまとめるように指示しました。その上で政府与党の決定は年内をめどにということであります」と語りました。記者からの「政府与党案のとりまとめは事実上年内は無理では…」という問いかけに対して「そんなこと…どうしてですか?」と、あくまで強気な構えの野田首相。そのままインドへと出発しました。しかし会議に出席した党幹部の1人は政府与党案のとりまとめについて「年内には間に合わないだろう」と話しています。