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「海兵隊を岩国基地へ」米側が水面下で打診

2012年2月7日 16:49
「海兵隊を岩国基地へ」米側が水面下で打診

 在日アメリカ軍再編の一部見直しをめぐり、沖縄県に駐留する海兵隊のうち約1500人を山口県のアメリカ軍岩国基地に移転させる案を、アメリカ政府が水面下で日本政府に打診していたことがわかった。

 岩国基地への移転について、日本政府は、日米協議のテーブルにはのっていないと強調している。仮に国内移転となれば、沖縄県の負担は軽減される一方で、移転先の新たな地元対策なども必要となるため、政府としては慎重な構えを崩せない。

 在日アメリカ軍の再編については、これまでに、沖縄県の海兵隊の一部をグアムなどへ先行移転させることなどが議論の俎上(そじょう)に上がっている。関係者によると、移転案は沖縄県の海兵隊のうち約1500人を岩国基地に移すというもので、アメリカ側による提案だという。日本政府は、この案について「正式な日米協議の議題にはしていない」と口をそろえている。

 野田首相「若干、ちょっと報道ベースでいろいろ具体的な話が出ていますが、例えば、在沖縄海兵隊を岩国基地に移転させるとの協議は日米間では行っておりません」

 玄葉外相「岩国への移転という報道がありますが、日米間でそういう協議を行っているという事実はありません。(Q協議はしていないですか?)協議はしていません」

 岩国基地には、既に神奈川県の厚木基地の空母艦載機の移転が決まっており、さらなる負担増には、地元自治体の強い反発が避けられない。国内で地元自治体との交渉にあたる防衛省では、アメリカ側の岩国移転案の実現可能性を疑問視する声が強く、アメリカ軍再編をめぐる日米協議自体が難航することも予想される。