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自民、新たに6人“非公認” 基準は「勝てるかどうか」……処分対象外、不出馬でも非公認 「非公認を多く見せたい」指摘も

2024年10月10日 9:40
自民、新たに6人“非公認” 基準は「勝てるかどうか」……処分対象外、不出馬でも非公認 「非公認を多く見せたい」指摘も
“裏金問題”を受け、衆議院選挙で公認について協議してきた自民党は9日、12人を非公認にすると決めました。追加された6人については、当選する見込みがあるかを重視。公認された“裏金議員”34人との線引きを考えます。 事実上の選挙戦が始まりました。

■12人の顔ぶれ、公認・非公認の基準は

佐藤梨那アナウンサー
「自民党が非公認とすることを決めたのは12人です」

「三ッ林裕巳氏、萩生田光一氏、平沢勝栄氏、高木毅氏、下村博文氏、西村康稔氏の6人に加え、中根一幸氏、菅家一郎氏、小田原潔氏、細田健一氏、今村洋史氏、越智隆雄氏の6人が追加されました。石破首相としては『大変つらい判断だった』ということです」

「一方で、“裏金議員”ら34人には公認を出しました。この(非公認の)12人はどういった基準で決まったのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「首相はこれまで公認・非公認の線引きについて、党の重い処分を受けたか、政治倫理審査会で説明したか、地元の理解を得られているか、といった基準を挙げてきました。最初に非公認の見通しのとなった6人は、『処分』と『説明』の基準が当てはまります」

「9日に新たに追加された6人については、地元の理解を得られているか、つまり地元の有権者から『政治とカネの問題はあったけれども、それでも議員になってほしい』と求められているかどうか、という基準で精査されました」

「その判断材料としては、石破首相が『公認については自民党が勝てるかという観点から判断する』と掲げた通り、党が行った選挙情勢の調査で勝てる見込みがあるかどうかを重視したようです」

■「不記載」多額だった人も公認

佐藤アナウンサー
「ただ、いわゆる裏金問題の責任と選挙で勝てるかどうかは本来、別の問題ですよね」

小栗委員長
「そうですね。そこで実際に、問題となった政治資金収支報告書に記載されていなかった額を見てみます。例えば、非公認となった細田氏は564万円、越智氏は84万円でした」

「一方で、公認された34人で言えば、例えば武田良太氏は不記載額が一番多く1926万円。前官房長官の松野博一氏は1051万円、今回参議院からのくら替え出馬を予定している丸川珠氏は822万円と、非公認の人よりも多額の不記載があった人もいます」

■「当選可能性が全くないので非公認」

小栗委員長
「また(新たに非公認となった)今村氏と越智氏は、そもそも“裏金問題”の処分の対象にもなっていませんでした。党幹部は『当選の可能性が全くないので非公認とした』と説明しています」

「越智氏は不記載額も少なく、処分の対象にもなっておらず、自民党が比例代表の重複立候補を認めない方針を示した後、既に今回の選挙には出馬しないと表明もしていました」

「それにもかかわらず、あえて非公認とする意味があったのか、非公認の数を多く見せたかったのでは、という声も党内からは聞かれます」

■党首討論で立憲・野田代表が反発

佐藤アナウンサー
「これでけじめがついたと言えるのでしょうか?」

小栗委員長
「立憲民主党の野田代表は9日の党首討論で、『選挙に勝てるかという観点から判断するというのでは、事の悪質度とは関係なく公認・非公認を決めているように聞こえる』と反発しました」

「『ご祝儀相場があるうちに解散すれば勝てるだろうという思いから、早期解散を決めたのではないか。“裏金隠し解散”ではないか』とも批判しています。石破首相は『最終的に、主権者たる国民の皆さま方がご判断になるということ』と述べました」

「9日から事実上の選挙戦に突入し、その判断は私たちに委ねられています」

篠原ともえさん(デザイナー・『news zero』水曜パートナー)
「(前回出演した2日の時点では)公認するという方向だったので、私は『国民の声を聞いてほしい』とコメントしました。するとその後に非公認となったので、『世論の声って届くんだ』とうれしくなりました」

「ただ(今回)、選挙に勝つためだけのアクションだったのかなと思ってしまいました。しっかり政治の背景を学んで判断していきたいと感じました」

佐藤アナウンサー
「衆議院選挙は15日公示、27日投開票です」

(10月9日『news zero』より)

最終更新日:2024年10月10日 9:40
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