民主党・小沢元代表が政治資金規正法違反の罪に問われた裁判で、検察官役の指定弁護士は９日、東京地裁の無罪判決を不服として控訴することを決めた。この判断を受けて、小沢氏に近い民主党議員には動揺が広がった。

　小沢氏は９日、東京・港区の個人事務所に入り、弁護士資格を持つ側近議員らと会うなどしていたが、昼過ぎには東京・世田谷区の自宅に戻っている。当初は控訴されるかどうかの判断を受けて記者会見するとしていたが、会見は行われなかった。

　また、小沢氏に近い議員数人は、国会内にある小沢氏の事務所に集まり、「どういうことなんだ」「どっと疲れが出た。みんな力が抜けている」などと動揺を隠せない様子だった。

　８日に小沢氏の党員資格停止処分の解除を決めた民主党の輿石幹事長は、記者団に対して「控訴しようとしまいと変わるわけがない」と述べ、処分解除の決定は変更しない考えを示しているが、党内外の批判が強まる可能性がある。