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野田再々改造内閣、人事の狙いは?記者解説

2012年10月1日 19:47
野田再々改造内閣、人事の狙いは?記者解説

 野田内閣は1日、政権発足以来3度目の内閣改造を行った。今回の人事の狙いについて、政治部・近野宏明記者が解説する。

 今回の人事の狙いについて、野田首相は「政府・与党の連携を深め、内閣機能を強化するため」と説明した。ただ、全体としては、今回の改造は消費税増税法の成立や、代表選挙での野田首相の再選にどれだけ貢献したかという「貢献度重視」の人事といえる。

 先月の民主党代表選挙で戦った鹿野道彦氏や赤松広隆氏らについては、政府や党の要職に起用しなかった。それぞれの陣営の議員を副大臣や政務官に起用することでバランスをとるとみられるが、民主党内では「野田首相が目指す党内融和とは逆行する」という声も出ている。

 焦点だった財務相には、民主党・城島光力氏が起用された。初入閣での重量級ポストだが、この2年間の党務で政策に通じており、野党とのパイプも評価されての起用となった。野田首相も「ねじれ国会の局面を取り仕切った経験を生かし、赤字国債発行法案などの課題の打開に道を開いてもらいたい」と述べている。

 民主党・田中真紀子氏の文科相への起用については、野田首相は発信力に期待を寄せたとみられる。会見では「文部科学行政に通じていることに加え、持ち前の発信力を政策面で発揮していただくことを期待している」と述べている。田中氏は科学技術庁長官や衆議院の文部科学委員長を務めた経験もあり、本人は「得意の分野だ」と話している。官邸に入る前にも、打ち合わせの場で文科省の以前から知り合いの官僚と親しげに声を交わしていた。

 一方で、前回に閣僚を務めた外相時代には、官僚との亀裂が修復できず、最後は当時の小泉首相に更迭される結果に終わった。強い個性をいかに成果に変えるか、真価が問われるところだ。